2003 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリア染色体のセントロメア様領域の特定とその分配機構の解明
Project/Area Number |
14380331
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 放射線・アイソトープセンター, 助教授 (70208122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小方 康至 国立遺伝学研究所, 放射線・アイソトープセンター, 助手 (90344449)
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Keywords | 細菌 / 染色体 / 分配 / ゲノム |
Research Abstract |
大腸菌をはじめとするバクテリア細胞において、複製した染色体は極めて正確に娘細胞に分配される。この過程で染色体の複製起点(oriC)領域は細胞の中央から両極へと移動する事が知られており、oriCの近傍に染色体分配に機能するDNA配列が存在するのではないかと孝えられてきた。しかしながらバクテリアにおいて、このような(真核生物におけるセントロメア領域に相当する)染色体上の配列はこれまで同定されていなかった。 大腸菌染色体を分断し、2つの染色体に分ける方法を導入し、複製起点領域を中心に体系的な染色体分断変異株を作成した。これらの変異がoriCの両極移動に及ぼす影響を調べ、これを阻害する染色体領域をoriCの近傍に見いだした。さらに、この阻害領域を染色体欠失変異により特定することを試みた。その結果、私たちは、大腸菌のoriC領域の複製後の細胞両極への局在化に機能する、わずか25bpのDNA配列をoriCの近傍より同定し、これをmigSと名付けた。migS配列は両極移動に阻害を持った分配変異プラスミドに対して、両極への移動を相補する。また、migS配列を染色体上の複製終結領域に移すと、その部位が細胞両極へと移動とする。さらに、このmigS配列が、染色体の折りたたみ、すなわち核様体の再構築にも深く関与している事を示した。migS配列を多コピーのプラスミドにクローン化し細胞内に導入すると、本来の染色体上のmigSの機能が阻害される。このことは、migS配列に作用する因子の存在を示唆するものと考えられる。本研究により、バクテリア染色体分配機構の解明のさらなる進展が期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yamaichi, Y., Niki, H.: "migS, a cis-acting site that affects bipolar positioning of oriC on the Escherichia coli chromosome"EMBO J. 23. 221-233 (2004)