2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380341
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久下 理 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30177977)
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Keywords | リン脂質 / 生合性 / 細胞内輸送 / 変異株 / 生体膜 / ホスファチジルセリン / ホスファチジルエタノールア |
Research Abstract |
ホスファチジルセリン(PS)生合成のフィードバック制御機構に関する研究 膜内在性(マルチスパン型)であり、その精製が非常に困難であった動物細胞のPS合成酵素-2を世界に先駆けて精製することに成功した。精製酵素を用いた酵素速度論的解析から、PSがPS合成酵素2の触媒部位とは異なる部位(制御部位)に直接結合し、同酵素の活性を阻害することを明らかにした。従って、この制御部位が、細胞内のPS量を検知するセンサーとしての機能を有し、PSの恒常性維持に重要な役割を担うことが示唆された。さらにPS合成酵素の構造に関して、PS合成酵素1と2の両者が小胞体膜を10回貫通し、そのN末端とC末端がいずれも小胞体の細胞質側に露出していることを示唆する結果を得た。 リン脂質の細胞内輸送機構に関する研究 リン脂質の細胞内輸送機構を解明する目的で、リン脂質の種々のオルガネラ間輸送に特異的な欠損を有する変異株の分離を試みた。その結果、遺伝学的解析が容易な酵母から目的の変異株を分離する方法を確立することに成功し、その方法を用いることによりPSの小胞体からミトコンドリアへの輸送に損傷を有する酵母変異株の候補を約40株、PSの小胞体からゴルジ体への輸送に損傷を有する酵母変異株の候補を約10株、ホスファチジルエタノールアミン(PE)のミトコンドリアから小胞体への輸送に損傷を有する酵母変異株の候補を4株、PEのゴルジ体から小胞体への輸送に損傷を有する酵母変異株の候補を1株、分離することに成功した。
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Research Products
(1 results)