2003 Fiscal Year Annual Research Report
転写標的遺伝子の網羅的同定による動物発生分子機構の解明
Project/Area Number |
14380346
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 直樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30179501)
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Keywords | 転写調節 / ゲノム / 免疫精製 / 遺伝子発現 / システム生物学 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、mab5,egl5,unc86など線虫ホメオボックス遺伝子にタグを結合したコンストラクトを導入したトランスジェニック個体を作成し、タグの抗体を利用して転写因子の標的DNA配列の濃縮をおこなってきた。mab21遺伝子は、我々がマウスHox遺伝子の標的として単離したmab21l1の線虫オーソログであるが、この遺伝子の近傍の配列が、線虫Hox(egl5)の標的DNAとして濃縮されたことから、Hox-mab21遺伝子の転写因子-標的遺伝子の関係が広く動物界で保存されていることが明らかになった。また、生体内における蛋白-DNAの結合だけでなく、動物個体を用いた遺伝学的な解析からも、個体中でもHox蛋白がmab21遺伝子の発現を制御していることを示す結果を得た。 上記の方法で濃縮した標的配列を全ゲノムレベルで効率よく検出するため、DNAマイクロアレイの作成を計画しているが、それに用いる転写活性をもつDNA配列の調製が、ゲノムDNAにレポーター遺伝子を結合したコンストラクトを培養細胞に導入することによって可能であることを確認した。現在この方法によってシスエレメント(エンハンサー)を全ゲノムから網羅的に調整しつつある。また上記の転写因子と標的配列をコントロールとして検出法の評価をおこなっている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamada, R, et al.: "Cell-autonomous involvement of Mab21l1 is essential for lens placode development"Development. 130. 1759-1770 (2003)
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[Publications] Takeda, Y, et al.: "Impaired motor coordination in mice lacking neural recognition molecule NB-3 of the contactin/F3 subgroup"J.Neurobiology. 56. 252-265 (2003)
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[Publications] 高橋 直樹 他: "新・ラボマニュアル遺伝子工学"丸善出版. 236 (2003)