2002 Fiscal Year Annual Research Report
器官形成の"素過程";budの伸長、分化、管腔形成に預かる制御遺伝子
Project/Area Number |
14380348
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 源 熊本大学, 動物資源開発研究センター, 教授 (80174712)
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Keywords | 外性器 / マウス / 遺伝子ノックアウトマウス / 細胞増殖因子 / BMP / 生殖 / ソニックヘッジホッグ / FGF |
Research Abstract |
哺乳類体幹部から発生する器官である胎児外性器形成プロセスにおいては、我々が明らかにしてきた外性器伸長を亢進させるような細胞増殖因子群が重要である。 これまで細胞増殖因子群(繊維芽細胞増殖因子(FGF)、Sonic Hedgehog (Shh))などが発生初期の形態形成制御シグナル分子として、外性器器官形成において重要であることが我々の解析で分かってきた。 また、これら増殖制御に対し、胎児外性器先端の重要な上皮領域に対して抑制性の効果を有する増殖因子群の存在が明らかとなった。胎児外性器先端間葉に発現するBMP4は、外性器先端上皮(DUE)に対し抑制的な作用を示すことが明らかになった。組換えBMP4,BMP7たんぱく質を胎児外性器培養系に添付すると胎児外性器の伸長が阻害されること等が明らかとなった。またBMPシグナル伝達が抑制されたKOマウス解析も上記ポイントを示唆した。 体幹部から伸長して形成される器官形成の代表とも言える肢芽形成では、いわば伸長を促進する"正"のシグナル系、叉それを抑制するBMP等細胞増殖因子信号伝達系が報告されている。我々の結果は伸長する点である程度肢芽形成と類似し、分化過程などにおいて相違する胎児外生殖器形成過程においても、このような伸長を促進、及び抑制する信号伝達系が存在していることを示唆しており、発生生物学上興味ある知見を提供するものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki, K. et al.: "Development of the mouse external genitalia ; Unique model of organogenesis"Kluwer Publisher (Baskin eds.). (in press).
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[Publications] Komatsu, Y. et al.: "Targeted disruption of the Tabl gene causes embryonic lethality and defects in cardiovascular and lung morphogenesis"Mech Dev.. 119. 239-249 (2002)
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[Publications] Suzuki, K. et al.: "Embryonic development of mouse external genitalia ; Insights into unique mode of organogenesis"EVOLUTION & DEVELOPMENT (Evo Dev). 4. 133-141 (2002)
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[Publications] Rieger, F, Yamda, G (eds): "Cell death in neurological disease"Cell Mol Biol. 48:. 125-217 (2002)
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[Publications] 尾木秀直: "外生殖器の形態発生と異常"小児科診療. 65・10. 1665-1670 (2002)
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[Publications] 荻野由紀子: "カダヤシ Gambusia affinis"細胞工学. 21・5. 522-523 (2002)