2002 Fiscal Year Annual Research Report
分泌型ADAMプロテアーゼによる細胞移動の制御機構
Project/Area Number |
14380350
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西脇 清二 理化学研究所, 細胞移動研究チーム, チームリーダー (30342827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 幸彦 理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70333325)
鈴木 教郎 理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員
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Keywords | 細胞移動 / ADAMfamily / C.elegans / 変異体 |
Research Abstract |
1.既存変異体のクローニングと解析 (1)mig-30の解析:mig-30(k179)変異体はSNPマッピングとインジェクションレスキュー実験の結果、ゲノムプロジェクトから予想されている遺伝子Y54E10A.2-1に相当することが分かった。MIG-30タンパク質はヒトの1dlBpと高い相同性がある。1dlBpはERからGolgi、あるいはGolgi内での小胞輸送に必要なタンパク質であり、タンパク質の分泌に働く。mig-30とmig-17変異体のDTC移動異常の相同性はMIG-30がMIG-17の分泌に関与する可能性を示唆する。今後、MIG-30が実際にGolgiに存在するのか、mig-30変異体でMIG-17の分泌に異常があるのかなどをさらに検討して行く。 (2)mig-22の解析:mig-22(k141)変異はSNPマッピングとインジェクションレスキュー実験の結果、ゲノムプロジェクトから予想されている遺伝子PAR2.4に相当することが分かった。予想されるMIG-22タンパク質はN末端に分泌シグナルと考えられる配列を持つ新規タンパク質である。ホモロジー検索の結果、MIG-22と相同性のあるタンパク質をコードする遺伝子がヒトのゲノム中にもあることが分かった。MIG-22は種間で保存されたタンパク質であるが、今回これが細胞移動に必要であることが初めて示された。今後、本タンパク質の組織分布を解析する方針である。 2.新規変異体のスクリーニング ENUを変異源として新たに細胞移動変異体のスクリーニングを行った。16株の変異体を取得した。マッピングおよび相補性試験を行った結果、これらの内4株はmig-25、3株はmig-23、2株はmig-27、1株はmig-22、1株はmig-18の変異であることが分かった。残りの5株は少なくとも4種類の新規遺伝子座に分類された。
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