2003 Fiscal Year Annual Research Report
成熟マウス大脳皮質に潜む未分化細胞の同定とその運命
Project/Area Number |
14380357
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
桑野 良三 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (20111734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 哲典 新潟大学, 脳研究所, 助手 (60323995)
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Keywords | コクッサキーウイルス / アデノウイルス / 受容体 / 脳形成 / 細胞接着 / 免疫組織化学 / 幼弱ニューロン / 組織修復期 |
Research Abstract |
脳形成期にかかわり成熟と共に消失する膜蛋白を探索するため、1)神経成長円錐を発達時期や部位に左右されない機能ユニットと仮定して、2)その構成膜タンパクを網羅的に分析し、3)得られたアミノ酸配列からペプチド抗体を作製し免疫組織化学的に分布を調べた。その結果、マウス初期胚から新生児まで急激に増加し生後は段階的に減少するイムノグロブリンスーパーファミリーに属する新しい細胞接着分子であるgmp46/CAR(Growth cone Membrane Protein with a molecular mass 46 kDaはCoxsakievirus Adenovirus Receptorと同一タンパクと判明)を発見した。脳は全体が同時進行で成熟するのでは無くて、脳内では未成熟な部位と神経回路形成が完了した成熟部位が共存している。免疫組織化学的検索の結果、gmp46/CARは神経回路形成期の特定の細胞に発現していた。脳神経以外で二番目に多く発現している心臓の形成にも関与し細胞接着面にgmp46/CARを検出した。また実験的に作製した骨折モデル動物や腎炎モデル動物で、組織修復時にgmp46/CARが再び出現している結果を得た。何れの組織においても、発生の初期あるいは組織損傷後の修復期など器官を形成していく過程において、細胞接着分子として重要な機能を担っていると推測された。一方、遺伝子治療を目的として組換えアデノウイルスがベクターとして用いられているが、アデノウイルスベクターの一次受容体がgmp46/CARであり、遺伝子導入効率はgmp46/CARの発現量と細胞局在に依存する結果を得た。このベクターを利用して成熟脳に潜むgmp46/CA陽性細胞を検出することが可能となり、脳発達と成熟脳の機能維持の研究に糸口が得られそうである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Kashimura: "Spatiotemporal changes of coxsackievirus and adenovirus receptor in rat hearts during postnatal development and in cultured cardiomyocytes of neonatal rat"Virchows Arch.. (In press). (2003)
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[Publications] Y.Hotta: "Developmental distribution of coxsackie virus and adenovirus receptor localized in the nervous system"Dev Brain Res. 143・1. 1-13 (2003)
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[Publications] T.Ito: "Coxsackievirus and adenovirus receptor (CAR)-positive immature osteoblasts as targets of adenovirus-mediated gene transfer for fracture healing"Gene Therapy. 10・18. 1623-1628 (2003)
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[Publications] M.Nagai: "Coxsackievirus and adenovirus receptor, a tight junction membrane protein, is expressed in glomerular podocytes in the kidney"Lab Invest. 83・6. 901-911 (2003)