2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380373
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
遠藤 昌吾 独立行政法人理化学研究所, 遠藤研究ユニット, ユニットリーダー (60192514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧嶋 邦夫 防衛医科大学校, 生化学第一講座, 教授
池田 敏男 独立行政法人理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 専門職研究員 (80252526)
THOMAS Launey 独立行政法人理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (30322704)
佐藤 泰司 防衛医科大学校, 生化学第一講座, 助手
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Keywords | MAPキナーゼ / 核内移行 / 遺伝子欠損マウス / Cre-LoxP / ERK2 |
Research Abstract |
本研究はMAPK(mitogen activated protein kinase)に属するERK2(extracellular signal regulated kinase)の生理機能を明らかにすることを目的とし、ERK2遺伝子欠損マウスの作出、ERK2の核移行機構の解析を行ない以下の結果を得た。 IoxP配列でERK2遺伝子を囲んだマウスとIoxPを含むDNA配列を特異的に認識して組換えを引き起こす酵素Creを小脳プルキンエ細胞特異的に発現するマウスとを交配し、ERK2をプルキンエ細胞特異的に欠損したマウスを作出した。全ての体細胞で欠損したマウスは致死的であり、成体でのERK2機能の解析は困難であったが、本研究で作出したマウスは胎生致死とはならず、成体においてERK2を欠損したプルキンエ細胞の機能を解析できる。本マウスは見かけ上野生型のマウスとの違いは観察されなかった。今後ERK2をプルキンエ細胞特異的に欠損したマウスの小脳依存的学習の解析や一般行動解析の詳細な解析を行なう。 さらに、昨年度に開発した「ERK2の活性化と核移行を同時にリアルタイムで画像解析できる系」を用い、ERKの活性化機構とその核内移行機構との関係を明らかにし、また、その機構に関与する情報伝達系について明らかにするために、詳細な解析を行った。その結果、ERK2の核内移行にはニ量体化が重要な役割を果たすという仮説をリアルタイムで証明する事に成功し、さらに、ERK2の効率的な核内移行には、MEK依存性情報伝達経路に加え、他のキナーゼ経路が重要である事を明らかにした。また、この解析の中で作製した各種のERK2変異体は細胞内分布機構に障害を及ぼすことから、今後、ERK2の機能解析に重要なツールとなると考えられる。
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Research Products
(6 results)