2002 Fiscal Year Annual Research Report
情動情報によって認知・行動情報が強い修飾を受ける大脳基底核メカニズム
Project/Area Number |
14380377
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木村 實 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40118451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 康雅 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60332954)
松本 直幸 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00252726)
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Keywords | 大脳基底核 / 視庄髄板内核 / ドーパミンニューロン / 動機づけ / 報酬 / 予測 / 注意 / 線条体 |
Research Abstract |
(1)大脳基底核の線条体は広範囲の大脳皮質から部位特異的な投射を受けると共に視床CM/Pf核から強い興奮入力を受けるが、この投射の生理学的な意義はまだ不明である。この投射の意義を調べる研究を行った。サルに感覚・運動課題を行わせ、単一CM/Pf細胞の活動を記録した。細胞は、視覚、聴覚や体性感覚の多感覚種刺激によく応答した。また、新奇刺激によく応答し、順応するので注意機構への関与が示唆された。ムシモルをCM/Pf核に限局して注入して活動を遮断すると、線条体細胞の感覚応答が消失したので、線条体細胞の感覚応答にはCM/Pf核からの投射が必須であることがわかった。視床非特殊核としてのCM/Pf核の注意機構への関与を調べるために、サルに注意課題を行わせながらムシモルでCM/Pf核の活動を遮断すると、注意による反応時間の短縮効果が消失したので、視床線条体系が注意の喚起による行動発現に関与するという仮説が支持された。 (2)報酬に基づく意志決定や学習における中脳ドーパミン系のはたらきに関する研究:複数の選択肢の中から報酬に繋がる特定の選択肢を試行錯誤で見つけ出す課題をサルに行わせ、中脳ドーパミンニューロンの活動を記録した。選択後の正解・不正解を知らせる音に対して放電の増減応答をしたが、この応答は報酬の予測誤差を反映することが分かった。 (3)線条体ニューロンの運動方向と組み合わせコーディング:レバー倒しとボタン押しの組み合わせ運動を感覚刺激による誘導と記憶による誘導でサルに行わせ、被殻のニューロン活動を調べた。運動方向に選択的なニューロンと、組み合わせに選択性を持つニューロンがあり、大脳基底核の行動選択機能に関与することが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Minamimoto, T., Kimura, M.: "Participation of the thalamic CM/Pf complex in attentional orienting"J. Neurophysiol.. 87(6). 3090-3101 (2002)
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[Publications] Imahori Y, Fujii R, Tujino H, Kimura M, Mineura K.: "Positron emission tomography : measurements of the activity of second messenger systems"Methods. 27. 251-262 (2002)
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[Publications] Kimura M, Matsumoto N, Okahashi K, Ueda Y, Satoh T, Minamimoto T, Sakamoto M, Yamada H.: "Goal-directed, serial and synchronous activation of neurons in the primate striatum"NeuroReport. (in press).
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[Publications] Haruno M, Kuroda, Doya K, Toyama K, Kimura M, Samejima K, Imamizu H, Kawato M: "Basal ganglia conducts human reinforcement learning : An fMRI study of a stochastic decision task"J. Cogn. Neurosci.. (in press).
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[Publications] Ueda Y, Kimura M: "Encoding of direction and combination of movements by the primate putamen neurons"Eur. J. Neurosci.. (in press).
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[Publications] 木村 實: "脳神経科学"三輪書店. 841 (2003)