2003 Fiscal Year Annual Research Report
隔膜自動制御培養による造血前駆細胞の低コスト増幅システム
Project/Area Number |
14380400
|
Research Institution | National Hospital Organization Osaka-Minami Medical Center |
Principal Investigator |
相馬 俊裕 独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター, 臨床研究部・免疫循環調節室, 室長 (40273619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 睦 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教授 (20263212)
|
Keywords | 造血細胞 / 骨髄移植 / 共培養 / 多孔性膜 / リアクター / 臍帯血 / 三次元培養 / 不織布 |
Research Abstract |
平成15年度研究実績 多孔性膜の下側にストローマ細胞を接着し、上側に造血細胞を播種して共培養できる隔膜培養器を想定し、種々の細孔径を有する多孔性膜をもった隔膜培養器を製作、準備し、これを用いてマウス骨髄細胞の培養を行った。その結果、細孔径は細胞密度にはほとんど影響しないが、0.4、3、12μmの細孔径の中では、細孔径が小さいほど造血前駆細胞の増幅に有利に作用する傾向があることが判明した。 さらに、我々がマウス骨髄細胞を用いた系で開発した三次元共培養法、すなわち多孔性不織布担体の内部にストローマ細胞を三次元的に増殖させ、その中で造血細胞を共培養する方法を、ヒト骨髄ストローマ細胞とヒト臍帯血からフィコール密度勾配遠心分離により分離したヒト臍帯血単核細胞との共培養に応用し、サイトカインを一切添加せずとも、造血前駆細胞が1週間の培養で数倍に増幅されることをCFUアッセイの結果から明らかにした。この三次元共培養系が有利である原因を解析した結果、サイトカイン等の液性因子の蓄積量にはほとんど変化が無いが、三次元培養系のほうが細胞外の不溶性タンパク質量が多く、幹細胞に親和性が高いと考えられているラミニンα5の発現量も高いことから、三次元培養することにより細胞外マトリックスが多く蓄積することが原因である可能性が示唆された。
|