2002 Fiscal Year Annual Research Report
ハプティック・フォース・フィードバックによるフェムトニュートン細胞触診法の研究
Project/Area Number |
14380403
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
湊 小太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00127143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 幹生 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (00294281)
杉浦 忠男 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60304010)
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Keywords | 光ピンセット / 細胞触診 / ハプテックデバイス / 力計測 / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
本研究の目的は、光ピンセットで捕捉した粒子を細胞に接触させて、そのときの反力をハプティック・デバイスによる力覚として術者にフィードバックするシステムを構築し、細胞触診法を確立することである。本年度は、以下の内容について開発および実験を行った。 1)基本システムの構築:触針となる粒子を光ピンセットで捕まえて細胞を粒子で「叩く」「押す」「擦る」動作を行い、そのときに発生する力を計測してハプティック・デバイスに力覚として提示する基本システムを構築した。システム構成は、倒立型光学顕微鏡にNd : YAGレーザーの光を入射して粒子を捕まえ、粒子の像をポジションセンシティブディテクタ(PSD)上に結像し、粒子の微動をモニターして発生している力を求めた。 2)ナノメートル世界の触針制御/反力計測技術:粒子を対象物に当てた時に働く力を光ピンセット中での粒子の動きとして検出する系を設計試作した。粒子の位置安定性は10ナノメートル、力の検出感度は最低力が17フェムトニュートン、最大力が100ピコニュートン以上を達成した。 3)マクロ世界での触覚提示技術:ナノメートル世界で計測した反力をマクロ世界の術者に触覚として提示した。この場合、反力の測定結果はダイナミックレンジが5桁に達するので、この力を術者に自然に感じられるような提示方法を検討した。また粒子の動きをあらかじめモデリングしておき標準的な試料に力を加えた場合との違いを表現できるようなシステムについても検討した。 4)触診システムの評価:構築した基本システムを用いて微粒子の操作を行い操作速度を変化させた場合の粘性力の変化や、粒子に発生するブラウン運動の観察を行った。また、粒子をガラス基板上にこすりつけた状態で移動させた場合の力を計測するのに成功した。また、やわらかい物質に対して弾性変形させた場合の力と変位からヤング率を求める計算方法についても検討した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Ota, T.Sugiura, S.Kawata: "Surface-force measurement with a laser-trapped microprobe in solution"Applied Physics Letters. 80巻・18号. 3448-3450 (2002)
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[Publications] T.Ota, T.Sugiura, S.Kawata: "Dynamic axial position control of a laser-trapped particle by wave -front modification"Optics Letters. 28巻・16号. 465-467 (2003)
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[Publications] Y.Yasumuro, O.Oshiro, K.Minato, et al.: "Visual and Haptic Interface for Ultrasound Probing Instruction in Tele-echo System"8th International Conference on Virtual Systems and MultiMedia. 863-870 (2002)
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[Publications] 中野鉄矢, 杉浦忠男, 湊小太郎: "力覚デバイスによる光トラップしたマイクロメートル粒子の遠隔操作"計測自動制御学会関西支部シンポジウム「計測と制御の新たな発展」講演論文集. 39-42 (2002)
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[Publications] 杉浦 忠男(分担執筆): ""操作技術 ミー粒子操作"「ナノ光工学ハンドブック」"大津元一、河田聡、堀裕和編、朝倉書店. 4 (2002)