2003 Fiscal Year Annual Research Report
SPring-8放射光による拍動心の心内膜側及び心外膜側のクロスブリッジ動態解析
Project/Area Number |
14380405
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清水 壽一郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80294403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 武寛 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60308195)
毛利 聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00294413)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
中村 一文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10335630)
八木 直人 高輝度光科学研究センター, 主席研究員 (80133940)
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Keywords | SPring-8 / アクチン・ミオシン / X線回折像解析 / 心筋線維配向 / マクロモレキュール / 心筋線維六角格子 / ミオシン格子間隔 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、臓器としての心臓における各心筋細胞内で分子単位のクロスブリッジ形成過程を評価するべく、ラット摘出心ランゲンドルフ灌流標本を用いて実験を遂行した。昨年度の成果として、左心室自由壁からのX線回折像が、X線が通過する部位に応じてスポット状、円弧状あるいは環状を呈し、心筋線維三次元配向モデルを構築して考察した結果、局所心筋線維のそれぞれの赤道反射が合成されてこのようなX線回折像が観察されること、および、X線回折像を局所心筋線維からの赤道反射の和としてみることで局所のクロスブリッジ動態観察の可能性が示された。 局所心筋クロスブリッジ動態の観察を目的に、ラット摘出心ランゲンドルフ灌流標本を作成した。房室ブロックを作成後、右室自由壁より2Hzで刺激しつつ、左心室内に留置したラテックスバルーンにより左室容積の制御と左心室圧を記録した。左室容積は左室拡張末期圧が10〜20mmHgとなるように調整した。心臓標本はSPring-8 BL40XUのハッチ内にマウントされ、X線が左心室自由壁の接線方向に入射するよう調整した。ある部位での心室壁X線回折像を2心拍分(1秒間、70画像)記録した後、心臓標本を左室自由壁方向あるいは心室中隔方向に200μmスライドさせ、心室壁を心外膜側から心内膜側までくまなく操作しつつX線回折像を記録した。 解析の結果、収縮期には心外膜側および心内膜側でクロスブリッジ形成過程は左心室圧発生過程と大変良くマッチし、左室圧の発生に必要な局所間の同期が、貫壁性にも認められることを明らかにした。一方、弛緩過程については、心外膜側と心内膜側との同期性は認められず、クロスブリッジ解離量と心筋粘弾性の関係について今後検討を加える。また、拡張期ミオシン線維格子間隔の測定も行い、心外膜直下の心筋組織だけが他の部位と比べ有意にミオシン線維格子間隔が狭いことが確認された。このことは、心筋細胞の構造が局所的に違いがない限り筋節長が異なる可能性を示し、Frank-Starlingの法則に基づく張力発生が貫壁性に異なることを示唆する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yagi N: "X-ray Diffraction from a Left Ventricular Wall of Rat Heart."Biophysical Journal. (In press). (2004)
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[Publications] Yagi N: "Sarcomere-length dependence of lattice volume and radial mass transfer of myosin cross-bridges in rat papillary muscle."Pflugers Arch. (In press). (2004)
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[Publications] Shimizu J: "Postextrasystolic contractility normally decays in alternans in canine in situ heart."Jpn J Physiol. 53(4). 313-318 (2003)
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[Publications] Doi Y: "Exponential fitting of postextrasystolic potentiation may underestimate the cardiac Ca^<2+> recirculation fraction : a theoretical analysis."Jpn J Physiol. 53(2). 89-96 (2003)