2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380411
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 智典 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00162454)
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Keywords | ファージライブラリー / ペプチド / 糖鎖認識 / インフルエンザウィルス / 感染阻害 / ヘマグルチニン / 分子進化法 |
Research Abstract |
感染は多くの場合に糖鎖が関与していることが知られている。本研究ではファージ提示ペプチドライブラリーの手法を用いて糖鎖結合性ペプチドあるいは糖鎖レプリカペプチドをセレクションして、感染阻害剤の作製を行った。 まず、糖脂質はウイルスや毒素の感染において受容体として関与していることから、糖脂質結合性ペプチドは感染阻害剤として利用できることが考えられる。そこで、インフルエンザウイルスや毒素が結合する糖脂質に結合するペプチドをファージライブラリーによりセレクションして、ペプチドへの結合性および感染阻害活性について検討した。糖脂質に結合するペプチド配列のモチーフの同定も行った。 また、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンに結合できる糖鎖レプリカペプチドをファージ提示ペプチドライブラリーから検索した。ヘマグルチニンに結合したファージを溶出する糖鎖の種類により、数種類のペプチド配列を得ることが出来た。得られたペプチド配列は、異なる亜型のインフルエンザウイルスのヘマグルチニンに結合し、細胞へのウイルスの感染を阻害することが示された。さらには、動物実験において鼻粘膜よりより投与することによって、インフルエンザウイルスの増殖を抑制することにも成功した。 さらには、ペプチド配列の最適化し、より高いターゲット結合性ペプチドを得るために、高次構造を有するペプチドを提示したファージライブラリーの作製、およびインフルエンザウイルス結合性のファージのペプチド配列を分子進化させたファージライブラリーの構築を目指した。これにより数種類の新たなファージライブラリーの構築に成功した。
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Research Products
(1 results)