2003 Fiscal Year Annual Research Report
コーンジェットモード静電噴霧法による模擬血球の製作と人工血球の創製
Project/Area Number |
14380417
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 篤 関西大学, 工学部, 専任講師 (50162334)
板東 潔 関西大学, 工学部, 教授 (70156545)
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
中本 博幸 シスメックス(株)中央研究所, 研究企画部長(研究職)
田地川 勉 関西大学, 工学部, 助手 (80351500)
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Keywords | 高分子ゲル / ゲル微粒子 / 柔軟弾塑性粒子 / 静電噴霧法 / コーンジェットモードEHD噴霧 / 模擬赤血球 / 模擬血小板 / 超音波造影剤 |
Research Abstract |
静電噴霧法または電気流体力学的(EHD)噴霧法の中で、とくに微細かつ均一な滴径の噴霧が得られるコーンジェットモードを利用して模擬血球としての粒径1〜5μmの高分子ゲル微粒子を作製しようと種々の試行実験を行なった。その結果、我々が従来用いていた自由液面散布法、すなわちアルギン酸ナトリウム水溶液の微細液滴をゲル化(架橋)剤である塩化カルシウム水溶液の自由液面上に散布する方法は、生成されたゲル微粒子が互いにくっ付き合って数百個が一塊りになり、成功しなかった。この原因は主に表面張力または静電気力または両者の複合効果と推測されたが、表面張力を下げる種々の試みは全て失敗した。 そこで、塩化カルシウム水溶液(ゲル化剤)自体も霧化し、密閉容器内で同じく霧化されたアルギン酸ナトリウム水溶液と微細液滴同士を1対1で接触または衝突させ、ゲル化反応を起こさせる「2重噴霧法」を試みたところ、粒径0.1〜2μmの微細かつ極めて均一な粒径のゲル微粒子の作製に成功した。生成されたゲル微粒子の粒径分布は静電的に霧化されたアルギン酸ナトリウム水溶液の滴径分布とほぼ対応しており、霧化された架橋剤の滴径分布にはほとんど影響されないことが分かった。また、収率、すなわち全生成ゲル粒子中の球形ゲル粒子の割合(60〜90%)は塩化カルシウム水溶液の濃度(5〜30%)が高いほど、アルギン酸ナトリウム水溶液の濃度(1〜3%)が高いほど高くなることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山本宏嗣, 大場謙吉 他: "コーンジェットモードEHD噴霧法による高分子ゲル微粒子の作製"日本混相流学会年会講演会2003講演論文集. 93-94 (2003)
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[Publications] 藤原正博, 大場謙吉 他: "噴霧法を用いた高分子ゲル微粒子の作製"日本機械学会2003年度年次大会講演論文集V. No.03-1. 23-24 (2003)
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[Publications] 藤原正博, 大場謙吉 他: "2重噴霧法を用いた模擬血球としての高分子ゲル微粒子の作製"第16回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. No.03-38. 21-22 (2004)
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[Publications] 川口正規, 大場謙吉 他: "ゲル微粒子を用いた超音波造影剤の開発"日本機械学会関西支部第79期総会講演会講演論文集. No.44-1. 9-31-9-32 (2004)
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[Publications] 山本宏嗣, 大場謙吉 他: "コーンジェットモードEHD噴霧法による高分子ゲル微粒子の作製"日本機械学会関西支部第79期総会講演会講演論文集. No.44-1. 9-39-9-40 (2004)
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[Publications] 山川宜之, 大場謙吉 他: "コーンジェットモードEHD噴霧における微粒化の理論的、実験的検証"日本機械学会関西支部第79期総会講演会講演論文集. No.44-1. 13-29-13-30 (2004)