2003 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞の分化と細胞死のシグナル伝達におけるレドックス調節機序の解明
Project/Area Number |
14390026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 泉 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40022826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 湖州恵 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80345884)
鈴木 治彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90283431)
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Keywords | チロシンキナーゼ / レドックス / RET / T細胞 / ラフト / アポトーシス / MKK6- / -マウス / ネガテイブセレクション |
Research Abstract |
1.酸化的化学修飾によるチロシンキナーゼ活性化の機序の解析:昨年度の研究により明らかにされた酸化ストレスの標的となってチロシンキナーゼ活性の起動に基本的に重要な働きをするチロシンキナーゼ分子内の特定のシステインの分布をデータベースで解析した結果、一つの例外を除いてすべてのヒトチロシンキナーゼ分子のMXXCWモチーフ配列の中に極めて高度に保存されていることが判明した。一方、RETチロシンキナーゼ分子内のリン酸化を受けるチロシン部位を質量分析法によって網羅的に解析した。この結果、従来、間接的な証拠により主要リン酸化部位であると推定されていたがリン酸化部位であることを確定するとともに、少なくとも5個所の比較的保存されたチロシンリン酸化部位がキナーゼドメインの中にあり、それぞれキナーゼの活性化に異なる様式で関与することを明らかにした。RET分子の立体構造モデルにおいてこれらのリン酸化部位となるチロシン群とキナーゼドメインのaヘリックスHのC末端側にあるMXXCWモチーフ中のシステインのキナーゼ活性化における異なる役割を推定した。2.T細胞表面への酸化ストレスにより起動するシグナル伝達の機序の解析:脂質由来のカルボニル化合物であるHNEを細胞に作用させた時、HNEにより活性化するカスパーゼによりSrcキナーゼの活性が負に制御され、このため、チロシンリン酸化が低下して活性化するホスファターゼPP2Aの作用でAktキナーゼの活性が低下してアポトーシスシグナル経路が正にフィードバック制御されるというラフト依存性の新経路の存在を示した。3.T細胞の分化と細胞死のレドックス調節の機序におけるMKK6の役割の解析:先に樹立したMKK6-/-マウスのさらなる解析により、胸腺リンパ球のネガテイブセレクションとそれ以後の終末分化において、MKK6と関連するレドックスシグナルが関与することを確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kawamoto, Y.: "Identification of RET Autophosphorylation Sites by Mass Spectrometry."J Biol Chem. (In press). (2004)
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[Publications] Liu, W.: "Protein phosphatase 2A-linked and-unlinked caspase-dependent pathways for downregulation of Akt kinase triggered by 4- hydroxynonenal."Cell Death Differ.. 10. 772-781 (2003)
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[Publications] Hossain, K.: "Arsenite-induced membrane rafts- dependent Akt activation of which inhibition accelerates caspase activation."Free Rad.Biol.Med.. 34. 598-606 (2003)
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[Publications] Du, J.: "Involvement of MEKK1/ERK/p21Waf1/Cip1 signal transduction pathway in inhibition of IGF-1-mediated cell growth response by methylglyoxal."J.Cell.Biochem.. 88. 1235-1246 (2003)
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[Publications] Suzuki, H.: "Involvement of MKK6 in TCRalphabeta(int)CD69lo : a target population for apoptotic cell death in thymocytes."FASEB J.. 17. 1538-1540 (2003)
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[Publications] Nakashima, I.: "4-Hydoroxynonenal triggers multistep signal transduction cascades for supression of cellular functions."J.Molecular Aspects Med.. 24. 231-238 (2003)
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[Publications] Nakashima, I.: "Redox-linked signal transduction pathway for protein tyrosine kinase activation"Progress in Protein Research. (In press). (2004)