2002 Fiscal Year Annual Research Report
農林体験の内容及び時間的濃度が青少年の環境認識・景観・認識・連帯意識に及ぼす効果
Project/Area Number |
14390040
|
Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
重松 敏則 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (70094505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝廣 和夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (30284582)
|
Keywords | 農林業体験 / 環境教育 / 社会教育 / 環境認識 / 自然体験 / 農山村問題 / 青少年問題 / 人材養成 |
Research Abstract |
本研究では、都市部に居住する農林業体験のない18歳から25歳までの青年を研究対象として間伐や階段工、稲刈り等の作業を体験させ、その体験期間、ならびに作業内容の違いにより、環境認識及び景観認識の深さ、そして充実感や連帯感等の波及効果の差異を把握するため、試験作業と共に前後のアンケート等の調査を実施した。 調査方法は、体験期間の差異として、(1)日帰り、(2)1泊2日、(3)2泊3日の3区分を設定し、また、(2)及び(3)については、単一作業条件(間伐作業)と複数作業条件(間伐、稲刈り、階段工など)の2条件を設けた。被験者の募集は2002年6月から10月までチラシやポスター等により学内外に行い、(1)9名、(2)26名、(3)22名の被験者が得られた。調査時期は気候的に作業の行いやすい2002年10月〜11月の土日祭日に実施した。 調査の結果として、まず同時掲載で被験者募集を行ったにもかかわらず、条件(1)は極めて少ない応募しか得られなかった。これは、農林業体験が無くても、日帰りでは物足りないという意識が働いたものと推察され、宿泊型に人気がある事を示している。一方、被験者の68%が女性であり、また、79%が学生であった。農林業体験の有無については、58%が「ない」と答え、「ある」と答えた者も、そのほとんどが、小・中学校でのイモ掘り、稲刈り程度に過ぎなかった。 アンケート調査の解析からは、体験期間の長いほど環境や景観認識及び充実感、ならびに連帯感が深まり、また、単一作業では充実感は深まるが環境認識に広がりは少なく、一方、複数作業では個々の作業時間や成果が少ないため、前者と比較し充実感は低いが環境認識は広がる傾向がみられた。全体的に農林作業体験に対して好評や満足感をもっており、都市部に生活する青年に対し農林業体験の機会を与えることと、その内容にかかわる効果について知見が得られた。
|