2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14390051
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
井上 和仁 神奈川大学, 理学部, 助教授 (20221088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 祐一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (80222264)
永島 賢治 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80264589)
鈴木 祥弘 神奈川大学, 理学部, 助教授 (50301586)
小林 正美 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (70234846)
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Keywords | 光合成 / 光合成細 / 色素 / 進化 / クロロフィル / シアノバクテリア / エネルギー代謝 / 環境適応 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き本年度は、次のような研究を行った。 (1)色素合成系からみた光合成生物の系統解析 光合成に不可欠なバクテリオクロロフィルとクロロフィルの合成過程で共通する酵素遺伝子を分子指標にした光合成原核生物の系統解析を行うために、新規の酵素遺伝子を数種単離した。また、緑色硫黄細菌Chlorobium phaeobacteroidesより新規のカロテノイド種を単離した。さらに緑色硫黄細菌C.tepidumおよび紅色細菌Rhodobacter capsulatus由来のバクテリオクロロフィル合成遺伝子をシアノバクテリアSynechocystis sp. PCC6803に導入し、シアノバクテリア内で新規の色素が蓄積することを確認した(鈴木、小林、井上)。 (2)鉄硫黄タンパク質を指標とした光合成生物の進化 光化学系I、フェレドキシン、ニトロゲナーゼなどは鉄硫黄クラスターを活性中心として持つ。鉄硫黄クラスターは、酸化還元を担う活性中心としては生物進化の最も初期から用いられた成分であると考えられ、黎明期の光合成進化過程を推定する上でも重要な成分である。今年度は、緑色硫黄細菌C.tepidumの2Fe-2S型フェレドキシンを大腸菌内で大量発現させることに成功した。また、C.tepidumの鉄硫黄蛋白質のアッセンブリーファクターに関しても研究を開始した。(井上)。 (3)ニトロゲナーゼ、プロトクロロフィリドリダクターゼ、クロロフィリドリダクターゼの進化 光非依存型プロトクロロフィリド還元酵素(BchL/BchN/BchB)のうち、(BchL)_2複合体が4Fe-4S型鉄硫黄クラスターを結合していることを極低温ESRによって示した。光非依存型プロトクロロフィリド還元酵素(BchL/BchN/BchB)とクロロフィリド還元酵素(BchX/BchY/BchZ)の構造遺伝子の破壊株を作製した(藤田、永島,井上)。
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Research Products
(6 results)