2003 Fiscal Year Annual Research Report
イスラーム・ガラスにおけるユダヤ・ビザンツの技術的、様式的影響と展開
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14401004
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
真道 洋子 財団法人中近東文化センター, 学術局・研究部, 研究員 (50260146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 教授 (90155648)
川床 睦夫 財団法人中近東文化センター, 学術局・研究部, 主任研究員 (00260141)
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Keywords | イスラーム・ガラス / ラーヤ遺跡 / 組成分析 / ラスター・ステイン装飾ガラス / カット装飾ガラス / ガラス交易 / フスタート / ゲニザ文書 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、シナイ半島ラーヤ遺跡発掘調査(隊長:川床睦夫)で出土したイスラーム・ガラスを中心に考古学的、分析化学的研究を進めた。 様式・編年研究では、ラスター・ステイン装飾ガラスに加え、とくに、本年度はカット装飾ガラスに着目し、高級ガラスと日常ガラスについて明らかとし、刻線装飾技法からホイール・カット装飾技法への経年変化、そして、装飾ガラスにおける装飾と化学組成の関連を明らかとした。また、カット装飾ガラスにおける様式および化学組成から10世紀におけるイスラーム圏内の大都市を中心に出土する高級カット装飾ガラスの遠距離交易に関する考察を行った。 化学分析に関しては、昨年度の研究結果得られた、原料の相違によるナトロン・ガラスと植物灰ガラスの分類をさらに細分する試みを行うとともに、現地で、ナトロンや植物灰の採集を行い、検証実験を行った。また、可搬型蛍光X線分析装置の有効性を高めるために、ICP(プラズマ発光分析)分析で得られた数値を基に、分析値の特性化を行う研究を進めた。 これらの成果は、オリエント学会、分析化学会、エジプト調査関連研究会などの諸学会・研究会で成果発表を行った。また、昨年度の主な研究対象としたラスター・ステイン装飾ガラスと化学組成の研究に関いては、9月にロンドンで開催された国際ガラス史学会において、真道と中井グループがそれぞれ発表を行った。 さらに、総括的研究として、イスラーム・ガラスに見られる、イスラーム的特質の解明、ガラスに描かれたキリスト教徒の図像解釈、『ゲニザ文書』に見られるカイロ・フスタート在住のユダヤ教徒ガラス職人の活動についても、資料収集、検証を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 真道 洋子: "ラーヤ遺跡出土のガラス製品について"エジプト・シナイ半島ラーヤ・トゥール地域の考古学的調査第23次(2003年度)(川床 睦夫 編). 53-55 (2004)
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[Publications] 真道 洋子: "紅海地域におけるイスラーム・ガラスの展開と変容-9〜10世紀のラーヤ遺跡出土品を中心に-"オリエント. 第46巻第2号. 275-276 (2004)
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[Publications] 沢田貴史, 保倉明子, 中井泉, 真道洋子: "ポータブル蛍光X線分析装置によるシナイ半島出土遺物の化学分析-出土ガラスについての2003年度調査報告"エジプト・シナイ半島ラーヤ・トゥール地域の考古学的調査第23次(2003年度)(川床 睦夫 編). 59-68 (2004)
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[Publications] 沢田貴史, 保倉明子, 中井泉, 真道洋子: "ポータブル蛍光X線分析装置を用いるシナイ半島出土ガラスのその場分析と化学組成による特性化"分析化学. 第53巻第3号. 153-160 (2004)
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[Publications] Mutsuo KAWATOKO: "Archaeological Survey of the Raya/al-Tur Area in 2002"Archaeological Survey of the Raya/al-Tur Area on the Sinai Peninsula, Egypt, 2002. 1-40 (2003)