2003 Fiscal Year Annual Research Report
マヤ・イメージの形成と消費に関する人類学および歴史学的研究
Project/Area Number |
14401009
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 栄人 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (10240285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 紀 千葉大学, 文学部, 助教授 (40282438)
初谷 譲次 天理大学, 国際文化学部, 教授 (10180895)
桜井 三枝子 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (90235226)
|
Keywords | マヤ / 伝統医療 / ジェンダー / 観光 / エスノヒストリー / エスニシティ / エンパワーメント / カルチュラル・スタディーズ |
Research Abstract |
日本において流通しているマヤ・イメージを把握するために高校生及び大学生を対象とする意識調査を昨年度同様継続して実施した。また、各研究分担者(海外共同研究員、研究協力者を含む)はそれぞれ次の点に関して個々に文献および情報の収集と整理を行ない、併せて現地調査を行なった。そして、それぞれに収集分析した結果を持ち寄り、総合テーマに関して全員で討論する研究集会を、千葉大学(10月)と天理大学(1月)においてあわせて2回実施した。 1.吉田は、メキシコにおける政府の伝統医療政策について調査した。主たる調査対象をメキシコ保険庁および保健省とし、また併せてこれらの管轄のユカタン州における病院等の視察を行った。 2.桜井は、マヤ先住民女性に関わる写真などの映像資料の調査をアンティグア市(グアテマラ)のメソアメリカ地域研究所で行なうとともに、サンティアゴ・アティトラン市において先住民女性の保健衛生について調査を行なった。 3.初谷は、昨年度電子テキスト化した植民地期ユカタンのキステイル村事件に関する歴史史料の分析を行なった。 4.鈴木は、メキシコ・ユカタン州においてマヤ文芸運動に関する資料収集とマヤ文化振興団体に対する聞き取り調査を行なった。 5.大越翼(海外共同研究員)は、植民地時代の先住民を研究する上で当時作成された様々な記録を利用することの問題点を明らかにするために、ディエゴ・デ・ランダの執筆とされる『ユカタン事物記』の再検討を行なった。また、日本で流通するマヤ・イメージと外国におけるマヤ・イメージの比較を行うための調査を継続実施した。 6.杓谷茂樹(研究協力者)はメキシコの観光政策とその現状を把握するためユカタン半島において現地調査を行なった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 大越 翼: "『カルキニ文書』の形成とその「意味」の変化についての一考察"京都ラテンアメリカ研究所紀要. 第3号(印刷中).
-
[Publications] 大越 翼: "自らをイメージするということ-初期植民地時代のマヤ王族の出自譚を分析する"学習院史学. 第42号(印刷中).
-
[Publications] 桜井 三枝子: "マヤ研究史をたどる"大阪経大論集. 54巻5号(印刷中).
-
[Publications] 初谷 譲次: "メキシコ・ユカタン総督領キステイル村事件(1761年)に関する修正主義的見解"天理大学学報. 55巻1号. 65-91 (2003)
-
[Publications] 杓谷 茂樹: "モニュメントとしてのマヤ遺跡"まほら(旅の文化研究所). 第36号. 18-19 (2003)
-
[Publications] 初谷 譲次: "『アメリカス学の現在』第2部第2章第1節「構築されるマヤ・イメージ-他者のまなざしからの解放をめざして-」(108-121頁)"天理大学アメリカス学会編、行路社刊. 14 (2003)