Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 光雄 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50115789)
寺嶋 秀明 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10135098)
北西 功一 山口大学, 教育学部, 助教授 (80304468)
小松 かおり 静岡大学, 人文学部, 助教授 (30334949)
|
Research Abstract |
本年度は研究計画の最終年度として,(1)現地調査の続行,(2)これまでに蓄積された資料の分析,(3)研究会の開催,の三つの活動をおこなった。 (1)ではまず,研究協力者の稲井啓之(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科大学院生)をカメルーン共和国に派遣し,北部に住む漁撈民ムズグンの生態と漁撈活動をめぐるコミュニケーションに関する調査をおこなった。その結果,「移動漁民」と形容することのできるムズグンが,なぜ生態・社会環境の異なるカメルーン南部のさまざまな地域に移住し,漁撈活動を展開することができるのかという問題に関する手掛かりを得ることができた。 (2)では,研究代表者木村が,前年度までの調査で収集した狩猟採集民バカ,日本人,およびコンゴ民主共和国の農耕民ボンガンドの日常会話のデータを比較し,それぞれの発話相互行為の特徴について分析を進めた。そこで,Overlap Inhibition Potential(発話重複抑制ポテンシャル)という概念によって,それぞれの民族の他者の発話に対する態度,ひいては会話パターンの系統的な記述をおこなうというアイデアを得ることができた。また,アルバイトを雇用し,ビデオ画像のDVD化を進めた。 (3)では,昨年にひきつづき,月一回開催した「コミュニケーションの自然誌」研究会において,調査によって得られたデータの理論化をめざす討議を重ねた。また3月に佐賀大学で研究分担者,協力者らを集めた研究会を開催し,これまでの研究の進行状況について振り返るとともに,研究のまとめについて話し合いをおこなった。
|