2004 Fiscal Year Annual Research Report
参加型開発におけるプロセス・ドキュメンテーションの研究-スリランカとインドネシアの事例をとおして-
Project/Area Number |
14401014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 明 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90212513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 昌宣 熊本学園大学, 社会福祉学科, 教授 (30271456)
子島 進 東洋大学, 国際地域学部・国際地域学, 助教授 (90335208)
平松 幸三 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (70026293)
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Keywords | プロセス・ドキュメンテーション / 参加型開発 / スリランカ / インドネシア |
Research Abstract |
本研究の目的は、開発過程を総合的に記録・記述する民族誌的プロセス・ドキュメンテーションの可能性を検討するところにある。いうまでもなく、開発は、開発援助機関、プロジェクトマネージャー、受益者といった直接のアクターのみならず、それを取り巻く地域的、国家的、国際的なアクターとの関わりで、紆余曲折しながら進行していく。それは、ある意味で「複雑系」といってよい過程である。本研究は、参加型開発での現地調査をとおして、開発過程を記録し記述する手法を学際的に検討し、開発研究者や開発実務者のみならず、開発の受益者にも利用可能となるような汎角的記録法の可能性をさぐることを目的としていた。 本研究の最終年度である平成16年度においては、フィールドワーク期間の制約から、研究の中心の1つを、過程(プロセス)研究という理論的な枠組みにもおき、フイールドワーク調査とのバランスをとった。そのため数回の国内研究会を開催した。フィールド調査に関しては、足立がスリランカにおける参加型開発を、また環境学の分野から平松がラオスにおける開発過程の調査を行った。また、研究協力者の佐藤らが沖縄における戦後の生活改善運動の過程の聞き取り調査を行った。また、本年度2月には、とりまとめの研究会を開催し、成果刊行の準備を開始している。 本研究を通してもっとも明確になったことは、プロセスを記録することの重要性と、その実際的な困難性である。この困難性は、記述する対象・項目の多様性に加えて、調査者の時間的制約である。言い換えれば、短期の出張調査では、全体のごく一部しかかいま見られないという制約である。この問題を含めプロセス・ドキュメンテーションの展望と課題をとりまとめとして行いたい。
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Research Products
(3 results)