ロシア・サハリンにおける日本植民地遺産と朝鮮人に関する緊急調査研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14401015
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 崔 吉城 広島大学, 総合科学部, 教授 (80236794)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松重 充浩 日本大学, 文理学部, 助教授 (00275380) ; 小池 聖一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70274024) ; 中生 勝美 大阪市立大学, 文学研究科, 助教授 (00222159)
• Keywords: 植民地 / 移動 / 強制労働 / 戦後処理

Research Abstract

文献調査:植民地時代のサハリン公文書館の特別高等警察の文書から朝鮮人労務動員に関する内容整理と数字化する作業を進行した。
現地調査:サハリン、中国・東北地域、韓国、国内などにおける現地調査によって朝鮮人の移動と定着の状況についてインタビュー調査を行った。特にサハリンにおける炭鉱、刑務所の遺跡、韓国ではサハリンからの帰国者にインタビュー、国内では北海道夕張炭鉱をはじめ数箇所、北九州の筑豊地方、長崎と宇部の炭鉱地における現地調査を行った。
学会で発表:崔吉城は2002年11月15日東京大学社会情報研究所主催の国際シンポジウム「コレアン・ネットワーク」(代表:姜尚中教授)で「朝鮮人のサハリンへの移動と定着」を発表し、2002年9月14日国際日本文化研究センターの「日本統治化の朝鮮」(代表:松田利彦)で「植民地朝鮮の民俗学・民族学」を発表し、同年11月23日韓国・啓明大学で開催された日本学会主催の国際シンポジウムで「植民地移動による強制労働」を発表した。その結果は韓国語で著書『サハリン:流刑と棄民の土地』として出版した。
共同研究会:研究分担者の全京秀(ソウル大学教授)の研究発表とゲストスピーカーとして井上紘一(北大教授)と李成換(啓明大学教授)を招いて講演を聴き、研究者、補助者などの発表で熱意ある討論をした。その他報告書刊行のために会議を行った。

Research Products

• [Publications] 崔吉城: "樺太における朝鮮人の移動と結婚"21世紀韓朝鮮人の共生ビジョン(日本評論社). 502-516 (2003)
• [Publications] CH'OE Kilsung: "War and Ethnology/Folklore in Colonial Korea"Senri Ethnological Studies. 65. 169-187 (2003)
• [Publications] 崔吉城: "危険な日韓関係"ソウル:民俗苑. 222 (2004)