2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国東北(満州)をめぐる日本・中国・ロシア関係のロシア未公開史料の調査研究
Project/Area Number |
14401020
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
井村 哲郎 新潟大学, 人文学部, 教授 (50303095)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 暉之 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90086231)
SAVELIEV IGOR 新潟大学, 人文学部, 助教授 (60313491)
芳井 研一 新潟大学, 人文学部, 教授 (90092634)
|
Keywords | 東清鉄道 / 中国東北 / 満洲 / ロシア国立歴史公文書館 / 極東ロシア |
Research Abstract |
帝政ロシアの東方での領土拡張政策の一つとして,19世紀末に建設された中東鉄道は,中国におけるロシア最大の利権であった。日露戦争の結果,日本はその一部,長春から大連までの南部支線と関東州附属地をロシアから獲得するが,東清鉄道は1935年に満洲国に買収されるまで,北部満洲の経済発展と,中国東北における国際関係に重要な役割を果たした。 本研究は,これまで非公開,未整理であったサンクト・ペテルブルグのロシア国立歴史公文書館が所蔵する中東鉄道理事会関連文書の全容を明らかにし,そのうち主要なものについて目録および抄録を作成し,関連する史料を収集することを目的としている。 昨年度に引き続き,2003年9月に研究分担者芳井研一とサヴェリエフ・イゴリがロシア国立歴史公文書館において関連文書の現地調査を行い,必要な文書群の抄録作成を行い,あわせて関連文書の複製の入手を行った。 なお,2003年はサンクト・ペテルブルグ創建300年であったため,それを記念して,現地調査機関中に,ロシア国立歴史公文書館以外の在サンクト・ペテルブルグの機関が所蔵する中国・日本をはじめとするアジア関係史資料の所在をさぐるワークショップをサンクトペテルブルグ大学東洋学部において開催した。このワークショップの記録集を,中間報告書「サンクト・ペテルブルグ所在史料に見るアジア」として作成した。 また2004年2月には,研究分担者サベリエフ・イゴリが台北(台湾)の中央研究院档案館および国史舘において,中華民国の中東鉄道政策に関わる档案の調査を行った。 国内調査では,外務省外交史料館,国立国会図書館などで,日本の政策に関わる史料の調査を行った。また,引き続き最終年度には解題目録を作成する予定であるため,作成した抄録の翻訳を行った。来年度に予定している本報告書の予備作業として,これらの調査の成果を中間的にまとめる中間報告書「中東鉄道文書に見る中国東北」を,前記中間報告書とは別に,作成した。
|