2004 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアのデルタ開発に伴う小規模灌漑地帯の対応に関するシステム農学史的研究
Project/Area Number |
14401025
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
伊東 利勝 愛知大学, 文学部, 教授 (60148228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 捷朗 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (10027584)
小林 愼太郎 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 教授 (20026602)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (80183804)
星川 圭介 人間文化研究機構, 総合地球環境学研究所, 産学官連携研究員
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Keywords | 東南アジア / 稲作農業 / デルタ後背地 / 小規模灌漑 / 水利組織 / 植民地政策 / タムノプ / 畑作農業 |
Research Abstract |
前年度までにミャンマー国家文書局および大英図書館等で収集された資料の分析、特にミャンマー中央部タウンドゥインヂー地方における植民地前期の畑作農業についての調査を進め、落花生や早生ゴマ、黍の作付けはそれぞれ増加し、稷は減少したことが明らかになった。また米作は横ばいで、灌漑地が増加していないことがこれを裏付けた。 平成16年8月26日〜平成16年9月13日にかけてカンボジア・シエムリアップ平野における小規模灌漑施設の調査を行ない、この地域には東北タイで見られる「洪水拡散型土堤灌漑(タムノップ)」が広範に分布していることを明らかにし、それらの分布と機能、農民組織、および関連資料の収集を行った。また同時に、タイ国ナコンラーチャシーマ・ブリラム市近郊のタムノップのデータベース化に向けて、基礎的データの収集を行った。 平成16年10月23日より24日にかけて、別府市の立命館アジア太平洋大学にて、カンボジア・シエムリアップ平野臨地調査報告会と最終報告書作成へ向けて、章別分担についての打ち合わせを行った。 平成16年11月28日から12月6日にかけてミャンマー・コンバウン王朝時代の小規模灌漑関係史料調査および最終報告書に添付する水利委員会文書資料集作成についての打ち合わせを、ミャンマー人研究協力者と間で行った。また平成17年1月2日から1月17日にかけて、タイ国ナコーンラーチャシーマ市、ブリーラム市、スリン市周辺の小規模灌漑施設(タムノップ)の立地に関する地理的資料の収集を行った。 この3年間に収集したタウンドゥインヂー市、サリン市における水利委員会の議事録は、ミャンマー文テキストとともに、その英訳を資料集として公刊すべく編集作業を行い、9委員会分が終了した。また20世紀初期東北タイにおけるタムノップ関係政府文書についても、英文にして1160ページ分の翻訳が完成した。
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Research Products
(6 results)