2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国四川省綿陽市永興山2号墓から出土した漆塗り木製馬の保存処理実験
Project/Area Number |
14401036
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
岡田 文男 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (60298742)
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Keywords | 中国四川省 / 綿陽市 / 埋蔵文化財 / 保存処理 / 漆塗り木製馬 / 高級アルコール法 / 出土木製品 / 漢代 |
Research Abstract |
研究実績の概要 平成15年 3月6日〜10日:四川省文物考古研究所訪問。岡田、四川省文物考古研究所所長、副所長、主任との間で平成15年度の保存処理実験方針について打ち合わせを行う。その中で、平成15年度の実験において、あらたに考古研究所内に実験助手を配置し、日本側がその経費を持つことを日中双方で確認する。また、新年度の実験を5月から開始すること、実験の点数を増やすことを確認した。 5月:中国において新型肺炎によって死者が出たため、大学より海外渡航自粛措置が出された。その結果、5月からの実験が不可能になる。そこで以後、電子メールにて本年度の保存処理予定点数と内容について継続して協議する。 8月21日〜25日:新型肺炎による海外渡航自粛措置が解除されたため、四川省文物考古研究所を訪問し、実験(アルコールによる脱水)を開始する。なお、中国側が準備した保存処理実験点数が当初の予定点数に満たなかったため、点数を追加して最終的に40点(うち漆塗り木製場馬の破片2点、木製牛2点、人形18点、その他18点)とすることで合意する。 9月25日〜29日:実験助手を加えた実験の進行を確認する為、四川省文物考古研究所を訪問する。メタノール置換が未完了であることを確認し、メタノールを200リットル追加注文する。 10月30日〜11月3日:四川省文物考古研究所訪問。メタノールによる脱水完了の確認を行い、含浸槽に実験試料を入れる。樹脂の濃度を20%から開始する。 12月19日〜23日:四川省文物考古研究所訪問。樹脂濃度が80%程度に上昇していることを確認する。 平成16年 2月26日〜3月1日:四川省文物考古研究所訪問。含浸槽から実験試料をすべて取り出す。馬以外については初期の段階の表面処理まで終了し、本年度の実験を終了する。本年度の最終的な実験点数は40点であり、実験内容は概ね満足できるものであった。
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Research Products
(2 results)