2002 Fiscal Year Annual Research Report
イタリアのインクルーシブ教育における教師の資質と専門性に関する調査研究
Project/Area Number |
14401039
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
石川 政孝 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 主任研究官 (20311186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 鉄郎 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 主任研究官 (50280574)
大内 進 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 室長 (40321591)
笹本 健 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 肢体不自由教育研究部, 部長 (40141999)
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Keywords | イタリア / 統合教育 / 1992年法律104号 / プログラム協定 / 支援教師 |
Research Abstract |
イタリア北部の都市を中心に2回の実地調査を行った。 この調査で明らかになったことは、次のとおりである。 (1)1992年法律104号に基づいて、各県ごとに毎年度ハンディキャップ状況にある児童生徒の統合教育のためのプログラム協定を結び、ASL(地域保健機構)、学校・教育委員会、コムネ等の関係機関がそれぞれの特別なニーズに対応したサービスを提供する役割分担が明確に確認される。 (2)モデナ県の統計資料からハンディキャップの状態にある児童生徒の対象となる障害は、ICD-10に基づいてASLにおいて診断され、その範囲は、精神統合障害等F20-29、学習障害等の心理的発達障害F80-89、多動性障害等の行動及び情緒の障害F90-99が含まれている。 (3)学校での実地調査において、重度の肢体不自由児や自閉症、精神統合障害のある児童が通常の小学校の学級に統合されて指導を受けている状況が確認された。それらの学校ごとに、支援教師がコーディネーターとなり、小児精神科医、心理療法士、PT、OT、ケースワーカー等の専門スタッフからなる支援チームが編成され、学校における統合教育を支えていた。 (4)支援教師insegnante di sostengoは、統合教育を促進するため全在籍児童生徒数に対して138:1の基準にもとづいて配当され、学級担任とチームを組んで、障害児への直接指導することに加え、クラスメイトと障害児の円滑な関係を保つように学級全体の指導に対して責任をもつ。
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