2004 Fiscal Year Annual Research Report
イタリアのインクルーシブ教育における教師の資質と専門性に関する調査研究
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14401039
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Research Institution | National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
石川 政孝 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 総括主任研究官 (20311186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹本 健 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 企画部, 総合研究官 (40141999)
大内 進 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 企画部, 総括主任研究官 (40321591)
武田 鉄郎 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 主任研究官 (50280574)
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Keywords | イタリア / 統合教育 / 1992年基本法第104号 / プログラム協定 / 支援教師 |
Research Abstract |
イタリア北部の都市を中心に障害のある児童生徒を統合した学校現場の授業場面の観察や教師へのインタビュー、文献収集等を通して、学校の在り方、特別な教育的ニーズのある児童生徒を支援する教師の養成、その具体的な役割、医療福祉等の地域の資源との連携について情報を収集・整理した。1992年ハンディキャップに関する基本法第104号のもとで、各県単位で教育・医療・福祉・労働が<プログラム協定>を結び連携して障害や文化などの多様性を内包する統合教育を進めていることがわかった。 今年度は、まず、昨年度実地調査で入手された幼稚園において統合教育を受けていた聴覚障害のある幼児の診断表、3歳時、4歳時及び6歳時の3年間にわたる動的機能プロフィールPDF、個別教育計画を翻訳した。支援教師が中心となり「言葉だけじゃない」プロジェクトを企画し、障害のある幼児と障害のない幼児がお互いに理解し合いそして理解する機会をつくる授業の全体像がわかった。 また、11月23日モデナ市で開催された「統合のための資源」というテーマのセミナーに参加し、学識経験者による講演や事例の紹介があった。学校管理者と支援教師から学校現場での様々な経験や課題についての協議を聞くことができた。 3年間5回の実地調査を通して、イタリアの現代の社会状況の中で教師に求められる資質と専門性があきらかになった。すなわち障害はもちろん民族や文化などの違いを含めた一人一人の子どもの多様性を受容し、積極的に歓待していく姿勢と、全体性を見る姿勢である。イタリアの子どもたちは、彼ら自身がインテグレーションを体験し、お互いの多様性を理解することを学んできている。自分の学んできた学校で既に教師にとって極めて重要な資質が養われてきている。30年前の教育は、知識の量であったが、今の教育は人間関係を学ぶことであり、自分と異なる多様な状況・価値観をもつ人と人間関係を維持し、発展させ、新たな価値観を創造する力量を育てることであるとイタリアの教育は主張している。
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Research Products
(1 results)