2004 Fiscal Year Annual Research Report
韓国における日本文化開放と韓日相互理解教育についての調査研究
Project/Area Number |
14402001
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
馬居 政幸 静岡大学, 教育学部, 教授 (30126768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 知徳 静岡大学, 教育学部, 教授 (40013213)
阿部 耕也 静岡大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (30212541)
磯山 恭子 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90377705)
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Keywords | 日本文化開放 / 青少年の意識と行動 / インターネット / 世代間格差 / 韓流文化 / 韓国社会 / 相互理解教育 / アジア的シチズンシップ |
Research Abstract |
本調査研究に先立って実施してきた日本文化開放と社会構造の変動が青少年の意識と行動に及ぼす影響に関する継続調査をふまえた新3年計画の最終年度として、次の四種の調査研究を実施した。(1)日本文化開放政策進行に伴う韓国青少年の意識と行動の変化把握のためのソウル市、大田市、釜山市での継続・発展調査(2)日本理解・批判に関係する学習機会の青少年への影響と社会的文化的基盤解明のための調査結果の分析。(3)日韓相互理解教育のためのプログラム開発とモデルプログラムの実施(4)最終年度としての全調査結果の総合分析。 その結果、現代韓国青少年が日本と同様に個人化が進行する豊かな社会に育ち、社会的自立への課題を日本青少年と共有することを明らかにした。他方、日本文化への接触状況と日本・日本人への評価の継続調査の総合分析から、漫画を中心に日本文化開放以前に浸透した日本文化が韓流文化の源流を形成し、文化開放の進行に伴いアニメや歌謡も類似の傾向が見られることを把握。また日本・日本人観の変化の5類型を析出し、相互理解を阻む新たな意識構造を解明した。特に韓国中高生の「日本・日本人評面」と「推測する韓国・韓国人評価」の比較から、日本と同水準の生活を享受する青少年による既存世代と異なる韓国上位の意識形成を確認。これらとモデルプログラム実施結果との総合分析から相互理解教育促進への次の課題を解明した。(1)インターネットを代表にIT化の進行が自国文化・言語内に閉じた意識と行動を強化するため、従来と異なる相互の理解(誤解・不信)に関わる多様な情報サイトの影響の実証研究と相互理解促進のための情報サイトの増設が必要。(2)両国の現代文化共有化は相互理解の基盤形成に寄与する反面、両国社会の問題点を認識させる側面もある。その克服は規制ではなく、より積極的かつ多面的な現代文化共有化の機会拡大が必要。(3)世代間格差を伴う新たな相互理解の障壁形成を克服するために、差異の相互認知に止まらず相互に修正をも要求しあうことで二国間を超えて共有すべきアジア的シチズンシップの構築とその教育システムが必要。以上の分析結果を日本4種と韓国3種の専門学会で発表し言判面を得た。
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Research Products
(2 results)