2002 Fiscal Year Annual Research Report
エンパワメントを高める障害者ケアマネジメントのあり方に関する研究
Project/Area Number |
14402004
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
三田 優子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 社会福祉学部, 研究員 (20261208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 博祐 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 社会福祉学部, 研究員 (40280812)
金 東洙 東京福祉大学, 社会福祉学部・精神保健福祉専攻, 専任講師 (70326990)
小澤 温 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科・障害高齢者福祉分野, 助教授 (00211821)
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Keywords | ケアマネジメント / 障害者 / エンパワメント / 地域生活 / 権利擁護 / 援助 / 脱施設化 / 利用者主体 |
Research Abstract |
障害者のケアマネジメントの位置付けを明らかにするために、アメリカおよびスウェーデンにおける障害者の、(1)居住の場・日中の場の実態、(2)関連法および財政整備状況、(3)主なケアマネジメントサーピスの内容整理を行なった。 まず、アメリカでは、現在、脱施設化がすすんでおり、知的障害者入所施設については10州で施設閉鎖が完了しており、複数の州が続こうとしていた。日中は、重度障害者も含めて、地域で居場所を確保する割合が高まり、利用者の選択・決定を重視する視点からも、障害者へのケアマネジメントは重要な役割を果たしていた。現在は、身体・精神障害者も含め、障害者本人中心のケアマネジメント(Person-centered Planning)が主流になりつつあり、その過程での、「利用者の主体的な関わり」をどう保障するか、が議論の中心であった。加えて、利用者の人権を保障するシステムを充実させることもケアマネジメントにおいては不可欠であった。 スウェーデンでは、障害者の入所施設が解体し、社会的入院についても大幅な削減を実施している中で、ケアマネジメントの概念はこれまでほとんど議論されてこなかった。しかし、アメリカ・カナダでのケアマネジメントの実践を受けて、スウェーデンを含む北欧では、ここ2、3年に急速に理論・技術両面の導入が始まり・地域支援従事者のみならず、精神病院等のスタッフも含め、国が研修を立ち上げ、試行的事業を開始したところであった。地域移行の促進には、やはり障害者の人権擁護および援助者の援助技術向上が重要な課題となっていることから、国が主導で、今後、ケアマネジメントの普及を行なうところであった。 障害者の生活環境や取り巻く状況が異なる中で、障害者支援におけるケアマネジメントの重要性は高まっていた。そして、そのキイポイントは権利擁護と障害者自身が主役となって参加するケアマネジメントが求められていることが確認できた。わが国でも支援費導入元年においてまさに同様の課題をもっているので参考となる。
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