2005 Fiscal Year Annual Research Report
満州残留旧日本軍人に関する調査研究:1945〜1955年
Project/Area Number |
14402010
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
鹿 錫俊 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20272784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 裕 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20166979)
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Keywords | 満州(中国東北) / 残留 / 留用 / 中国 / 日本 / 人民解放軍 / 戦後処理 |
Research Abstract |
1.本年度はプロジェクトの最終年度であるため、資料調査の面では主として中国の関係研究機関で補足的な活動を行った。これと同時に、香港大学等主催国際シンポジウム、ロシア史研究会主催の「ロシア史研究2005年度大会」、『歴史研究』雑誌等主催の国際シンポジウムなどに参加し、研究成果を積極的に発信すると共に、研究者との学術交流に努めた。なお、大学院と学部の教育においても、本プロジェクトの成果を活用している。 2.研究の集大成を目指して、学術論文の作成に集中した。これまで、「日本人管理機構と民族幹事」、「解放戦争における日本人医療関係者の主要活動」、「日本人に対する表彰と階級評定」、「中華人民共和国初期における日本人要員の復員と帰国」などを仮題とする初稿をまとめた。また、「戦後中国における日本人の『留用』問題:この研究の背景と意義を中心に」と題する研究ノートを刊行したうえ、「国民政府の日本人留用政策」を仮題とする論文を作成し、2006年7月に行われる「第5回中華民国史国際シンポジウム」で発表することになっている。これらの成果と前の年度の諸成果を合わせると、「研究成果報告書」の基礎ができたと思われる。なお、上記の諸成果の他、関連研究としても若干の論文を発表した。 3.本プロジェクトは当時の共産党支配地域(中国東北部)に絞り、共産党軍に留用された日本人を焦点とした研究であったが、この研究の深化と発展として、「戦後中国の日本人『留用』政策:共産党支配地域と国民党支配地域にわたる総合的調査」と題する新しい研究計画を考案した。これは、(1)研究の対象とする留用者の範囲を「満州残留旧日本軍人」から民間人も含む「日本人」全般に広げる。(2)調査の対象地域を共産党支配地域から旧国民党支配地域に広げるという2点を特色とするものである。計画通りに進めることができれば、共産党側の日本人留用政策のみならず、国民党側の日本人留用政策も含めて、留用問題の全般を究明することにつながると確信している。
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Research Products
(7 results)