2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14402012
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大澤 義明 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (50183760)
|
Keywords | 税競争 / 税調和 / 欧州 / 計量モデル / 分権化 / OECD / ディーゼルカー課税競争 / 越境購買 |
Research Abstract |
欧州では付加価値税,法人税,所得税に関して,現状の税競争(tax competition)から税協調(tax harmonization)へどのように移行させるべきか活発に議論されている.そこで, 1.2004年8月に開催された第60回国際公共財政会議(International Institute of Public Finance)へ参加した.通過交通と税競争モデルを発表し,情報収集に努めた.特に,ミュンヘン大学ハウフラー教授,世界銀行キーン氏からコメントを頂戴した.会議の特別テーマはFiscal and Regulatory Competitionであり,競争と協調という相矛盾する視点の中でどのような着地点を目指すか経済学者を中心に討論され,有意義な会議であった. 2.地域間競争問題は我が国でも徐々に注目される.分権化により国家主導から解放され,地方自治体が政策に関し自由裁量権を保持し,その結果として地域間競争が発生する.応用地域学会に参加し情報収集し,それを受けて今までの欧州版モデルを改良し,地理差を考慮した国内用モデルを構築し数値計算を行った.その結果,日本端部に位置する北海道や九州などでは税率が高く,人口が集中し地理的中心である東京で競争が激しくなり低くなることを計量的に明らかにした. 3.OECDレポートや欧州経済書籍を収集し,欧州税競争や税調和政策の最近の実態や研究状況を精査した.そして,越境購買の典型例であるディーゼルカー課税多国間競争,高速道路課金などの計量モデルを把握し,本研究の参考とした.
|