2002 Fiscal Year Annual Research Report
当事者間の利害対立を明示的に考慮した参加型社会基盤整備計画システムに関する研究
Project/Area Number |
14402023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 弘之 山口大学, 工学部, 講師 (90304493)
福山 敬 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30273882)
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (20207038)
谷本 圭志 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20304199)
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Keywords | 合意形成 / 参加型計画 / 住民参加 / コンフリクト / ゲーム理論 / 国際比較 / 社会基盤整備 / 利害対立 |
Research Abstract |
本研究は,多様な価値観を持つ市民が様々な意見について主張を行う現代情報化社会において,効果的に社会基盤を計画・整備するため,利害対立する諸関係主体の計画段階での参加を明示的に考慮した社会基盤整備計画プロセスに関して計画システム論的検討を行う。その後、国際比較に立脚したフィールド調査と実証研究,および理論的モデルの構築と分析を行い,関連法・行政の各制度の設計のための政策論的知見とを提供することを目的としている.まず,我が国における社会基盤整備の計画段階における「参加」に関して,その解決すべき問題点を明確化した.これらの中には比較的定形化・数式化しやすいものとそうでないものがある.後者に対しては,さらにその背景となっている文化や歴史的コンテクスト,倫理観・慣習などを掘り下げて問題明確化手法(ブレーンストーミング)により明確化した.さらに,わが国ならびに北米における社会基盤整備の計画・実施・評価等各局面における「多主体の参加」の具体的事例データを収集した.また,参加型社会基盤整備の計画プロセスに関する理論モデルの開発のための基礎的研究を行った.上記で明確化した社会基盤整備における「参加」のプロセスに関して,定形化可能な部分についてモデル化するための基本構造を明らかにし,社会基盤整備のための公共プロジェクトにおける住民・ならびにその他の利害関係者の「参加の効果」を説明できる理論モデルの構築のための基礎を築いた.これにより,参加型社会基盤整備の計画プロセスを分析できる合意形成過程の理論モデル(不完備情報下の交渉型非協力ゲームモデル)の開発が可能となった.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 岡田憲夫: "防災問題のリスクマネジメントとその新しい世界の潮流"日本リスク研究学会誌. 14・1. 1-2 (2002)
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[Publications] 岡田憲夫: "コンフリクトの構図切り口としてのゲーム理論"土木学会誌Vol.87 2002 6月号. 4. 25-28 (2002)
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[Publications] Hiroyuki Sakakibara, Norio, Okada, Hirokazu Tatano: "Modeling the Role of a Coordinator as a Medium of Communication in 2-Player Conflicts"Group Decision and Negotiation. 11・4. 311-327 (2002)
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[Publications] Norio Okada, Hiroyuki Sakakibara: "Game Theory-Derived Policy Implications For the Yoshino River Weir Conflict in Tokushima, Japan"Proceedings of the 2002 IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics. (CD-ROM). 6 (2002)
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[Publications] 福山敬, 西口健太郎: "情報の不完備性が地方公共施設の分権的整備に与える影響に関する分析"土木計画学研究・論文集. 19. 181-186 (2002)
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[Publications] Kei Fukuyama: "Effects of information incompleteness on provision of local public services by competitive local government"Proceedings of the 2002 IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics. (CD-ROM). 6 (2002)
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[Publications] 谷本圭志, 石本裕亮: "環境の状態と提携行動の相互作用性の下での提携形成問題に関する基礎的考察"環境システム研究論文集. 30. 199-206 (2002)
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[Publications] 谷本圭志, 喜多秀行, 山根佑司: "集団討論の会合における住民の発言メカニズムに関する研究"鳥取大学工学部研究報告. 33. 59-66 (2002)