2004 Fiscal Year Annual Research Report
看護職の職業性ストレスおよび精神的健康度に関する国際比較調査
Project/Area Number |
14402036
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 敏生 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (20251069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 まなほ 広島大学, 大学院・保健学研究科, 講師 (10379894)
MARCIA A.Petrini 山口県立大学, 看護学部, 教授 (50285441)
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教授 (90204346)
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Keywords | 看護職 / 職業性ストレス / ストレス対処特性 / 抑うつ / 国際比較 |
Research Abstract |
今年度の調査においては、看護職のストレスおよびストレス対処特性の質問表について改訂版を作成した後、(看護職の職業性ストレスについては,35項目(NSS)にて評価、ストレス対処特性については改訂版の簡易質問票18項目(SCS)を用いて評価)日本の2地方都市各1箇所の総合病院の看護師を対象にして信頼性,妥当性の検討を行った結果、NSSおよびSCS共に昨年度と同様の想定因子を得られた。また中国の西南地方の都市部、郊外各1箇所の総合病院の女性病棟看護師を対象にして実施した結果、日本同様の因子構造および信頼性、妥当性が得られた。次に日中の病棟看護師の精神的健康度とストレス、コーピング要因を比較検討し、さらに国籍ごとに精神的健康度と職業性ストレスの各因子を従属変数にし、職業性ストレス、ストレス対処、個人属性などのストレスに関連する要因を独立変数とした重回帰分析を行った。有効回答者数は、日本1028名、中国356名で、日本の看護職は、中国と比較して精神的健康度が低く、抑うつ傾向者の割合が高かった。ストレス因子のうち、「人命に関わる仕事」「対人関係困難」「医師との関係困難」「患者の死との直面」が日本で高く、「裁量度」「患者・家族との関係困難」は中国において高かった。コーピング因子のうち「情動対処」と「感情抑圧」が日本で高く、「積極的問題解決」、「問題解決のための相談」は中国で高かった。精神的健康度を従属変数とした重回帰分析では、日中共通して、「仕事の負荷」、「達成感」、「感情抑圧」、「情動対処」、「気分転換」および年齢が有意な関連を認めた。日本のみ有意であったのは、「対人関係困難」と「発想転換」、中国のみ有意であったのは「同僚上司の支援」であった。以上より、特に「対人関係困難」が日中の精神的健康度の違いに関連している可能性があり、今後の日本の看護職のストレス軽減対策上有益な示唆を得られた。
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Research Products
(7 results)