2004 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーションとEU統合への文化的対応に関するEU主要都市比較研究
Project/Area Number |
14402041
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
山本 健兒 法政大学, 経済学部, 教授 (50136355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (80153344)
栗原 尚子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (80017623)
竹内 啓一 一橋大学, 名誉教授
寺阪 昭信 流通経済大学, 経済学部, 教授 (30008643)
山田 晴通 東京経済大学, コミュニケーション学部, 助教授 (40191324)
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Keywords | 都市 / 移民 / 建造環境 / 参加 / 自治 / グローバリゼーション / EU / 文化 |
Research Abstract |
研究プロジェクトの最終年度にあたり、各研究分担者は今年度の現地調査の成果も含めて、とりまとめの作業にとりくんできた。EU主要都市によるグローバリゼーションとEU統合への文化的対応という主題のなかで、大きく2つの論点が浮かび上がっている。第1は、移民マイノリティの生活実態とこれに対するホスト社会の対応という論点である。第2は、都市の建造環境をどのように整備あるいは保全するかという論点である。 第1の論点については、オランダへのモルッカ移民に関する調査を進めた熊谷、スペインへの移民のラテンアメリカ化に関する調査を進めた栗原、かつての「ガストアルバイター」だけでなく東欧・ロシアからの移民や世界各地からの難民が加わって複雑な移民構成をとるようになったドイツを調査した山本が特に関係している。第2の論点については、後期資本主義的な圧力に対してイタリア主要都市における建造環境の再編を超長期的に論じ、これを各都市政府の政権交代やその性格と関連づけた竹内、国際ツーリズムと伝統的都市建築物の保全との関係をパリとリヨンに即して考察した寺阪、そしてロンドンという圧倒的な世界都市の影におかれやすいイギリスのその他の主要都市が、欧州文化首都として指定を受けることによって大陸部のEU主要都市との競争に対応しようとする姿を考察した山田が特に関係している。 第1の論点と第2の論点のいずれに主眼をおこうとも、都市住民あるいはここを訪れる外国人に対して都市の物理的な構成は大きな意味を持つ。それ故、第1の論点も第2の論点に関説することになり、逆もまた然りである。欧州各国の主要都市の動向を総括するならば、外的圧力に対する文化的対応は政治的対応とならざるを得ず、中央政府の力が強いフランスと地方政府の力が強いドイツを両極として、各都市を位置づけうることが明らかとなった。その際に鍵をなすのは、参加と自治のありようである。
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Research Products
(5 results)