Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
柄谷 友香 京都大学, 工学研究科, 助手 (80335223)
佐藤 寛 アジア経済研究所, 海外研究員
渡辺 正幸 国際協力事業団, 国際協力総合研究所, 国際協力専門員
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
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Research Abstract |
マニラ首都圏のマリキナ市を対象として,地震に強いまちづくりのための防災戦略を構築した.すなわち,防災戦略は,ゴール,達成目標,数値目標,政策,対策・事業から構成される.達成目標の具体化に伴って,まず対象となる自治体がどの程度の生活文化をもっているかを調査する必要がある.災害の歴史,コミュニティのまとまり,自治体の行政能力などがどのレベルにあるかを把握し,危機管理能力を把握する必要がある(地域防災力アセスメント).そして,具体的にどのような災害が存在するのか,その発生確率はどの程度であるのか,被害がどの程度なのかを量的に把握しなければならない.すなわち,起こったときの被害評価が重要であることを示した(リスクアセスメント).さらに,利用できる資源(人,もの,情報,資金)の評価が大切である.この評価を誤ると空理空論になり,結局,減災対策を実現できないことになる(資源アセスメント).この3つのアセスメントを行って達成目標を決め,施策を提案し,行動計画(アクションプラン)を作り実行するのである.そして,行動計画がどの程度実現できたかを事業途中で評価し,不十分であれば再び3つのアセスメントからやり直すという,フイードバック回路が必要となるのである.これらの開発された手法を適用して,マリキナ市の防災戦略をまとめることができた.この過程では,数度にわたるワークショップを現地で開催し,市役所職員のみならず,住民の意識啓発に大きく貢献したことがわかった.
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