2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境配慮行動の規定因に関する日独比較調査:社会文化的影響に関する環境心理学研究
Project/Area Number |
14402048
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
広瀬 幸雄 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10117921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 香織 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (40324959)
大沼 進 富士常葉大学, 流通経済学部, 講師 (80301860)
杉浦 淳吉 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (70311719)
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Keywords | 環境配慮行動 / 国際比較 / 省エネ行動 / 交通利用行動 / ごみ減量行動 / 社会調査 / 社会的ジレンマ |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1.学生サンプルによる日独比較調査 日本とドイツの大学生を対象とした質問紙調査を行った。行動指標として省エネ、3R行動、交通、市民活動の4つのカテゴリーを用い、その実行度と規定因を検討した。行動の実行度については、3R行動はドイツの方が平均値が高く、交通行動は日本の方が高かった。身近な他者や国中の人の実行度予測では、身近な人の方が国全体よりも実行していると評価していた、行動の規定因は行動のカテゴリーによって異なり、一貫したパターンは見られなかったが、行動のしやすさが比較的重要な規定因となっていた。 2.パーク&ライド調査 交通関連行動についてさらに詳しく検討するため、日本で一般の人を対象に質問紙調査を実施した。愛知県内の3地点において有意抽出によりサンプリングを行い、郵送により質問紙を配布した。その結果、これらの地区では通勤や日常的な買い物などで車を使用する人が7割以上と多いことが明らかになった。また、パーク&ライドの実行意図には、コスト評価が大きな影響を及ぼしていた。日本では、交通問題があまり環境問題として認知されておらず、できるだけ公共交通機関を使うという社会規範が形成されていないことが示唆された。 3.国際シンポジウム ドイツの共同研究者二人を招き、中間報告会をかねた国際シンポジウムを2月に名古屋大学にて開催した。Matthies博士からは交通のソフトメジャーに関する報告があり、藤井氏と山川氏から社会的ジレンマとしての交通問題とごみの不法投棄についての報告があった。同時に、共同調査について打ち合わせを行い、今後のスケジュールを確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 安藤香織: "環境ボランティアは自己犠牲的か:活動参加への動機づけ"質的心理学研究. 1. 129-142 (2002)
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[Publications] 依藤佳世: "子どものごみ減量行動を規定する要因について"環境教育. 12・1. 26-36 (2002)
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[Publications] 広瀬幸雄: "環境計画への市民参加とボランティアのエンパワーメント"環境社会心理学研究. 7. 1-144 (2003)
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[Publications] 杉浦 淳吉: "環境配慮行動の社会心理学"ナカニシヤ出版. 189 (2003)