2002 Fiscal Year Annual Research Report
CERN-SPSのビームを用いた飛翔体搭載用解像型カロリーメータの開発
Project/Area Number |
14403002
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 教授 (90167536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 隆正 宇宙科学研究所, 助教授 (40013718)
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90271361)
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Keywords | 宇宙線 / 高エネルギーシャワー / カロリメータ / CERN / 宇宙ステーション / 気球 / シンチファイバー / VLSI |
Research Abstract |
この研究では、気球や宇宙ステーショシなどの飛翔体に搭載可能な、宇宙線観測装置としての解像型カロリメータの開発を目的として、国際共同、(仏伊)による検出器の開発とビームテストを行なった。今年度に試作した検出器は、1mm角のシンチファィバー32本のベルトと鉛板を積層した構造をしており、その512本を64アノードの光電子増倍管8本を用いて読み出している。光電子増倍管のシグナルは、32チャンネルのVLSI(Viking Chip)によって増幅し、マルチプレクサー方式で転送して1チャンネルのADCでデジタル化する。この開発に成功したことにより、従来では非常に困難であった、飛翔体搭載条件をみたす数万チャンネルのシンチファィバーの読みだし回路システムが実現できる見通しが得られた。 装置の基本性能をテストするため、CERN-SPSの陽子、電子、ミューオンのビームやHIMAC(放射線医学研究所)の重粒子ビームを用いて照射テストを実施した。これらのビームテストによって、陽子、電子のシャワーと粒子飛跡検出の性能を調べた結果、基本的な装置の動作性能については期待通りの成果が得ることができ所期の目的は達成できたが、いくつかの改良点も発見された。その主なものは、チャンネル間のクロストーク、ゲインの最適化方法などであるが、これらの解決策は、データ解析結果の検討によりすでに判明している。現在これらの不具合を解消し、さらに高性能なシステムの開発を目的とした装置、回路試作を、イタリアなどとの国際協力で実施している。来年度中には、新しい回路システムによるビームテストを、再度CERN-SPSなどで実施する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鳥居祥二, 田村忠久, 吉田賢二, 山上隆正 他: "高エネルギー電子、ガンマ線観測計画(CALET)"宇宙科学シンポジウム(第3回)会議録. (発表予定).
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[Publications] 鳥居祥二, 田村忠久, 吉田賢二, 山上隆正 他: "PPB-BETSの機上データ取得システム"大気球シンポジウム(平成14年度). 1. 112-115 (2003)
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[Publications] S.Torii, T.Tamura, K.Yoshida T.Yamagami et al.: "The CALET, Misson for the International Space Station"Nuclear Physics B (Proc.Suppl.). 113. 103-110 (2002)
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[Publications] M.Amenomori, S.Torii et al.: "Observation of Multi-Te V Diffuse Gamma Rays from the Galactic Plan with the Tibet Air Shower Array"Astrophysical Journal. 580,2. 887-895 (2002)
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[Publications] S.Torii et al.: "Observations of High-Energy Electrons with the BETS Instrument and the Future Prospects"Advances in Space Research. 30,5. 1273-1282 (2002)
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[Publications] K.Kasahara, S.Torii, T.Tamura, K.Yoshida, T.Yamagami et al.: "Atmospheric Gamma-Ray Observation with the BETS Detector for Calibrating Atmospheric Neutrino Flux Calculations"Physical Review D. 66. 052004-1-052004-9 (2002)