2004 Fiscal Year Annual Research Report
CERN-SPSのビームを用いた飛翔体搭載用解像型カロリメータの開発
Project/Area Number |
14403002
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 教授 (90167536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助教授 (90271361)
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
山上 隆正 JAXA, 宇宙科学研究本部, 教授 (40013718)
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Keywords | 宇宙線 / 高エネルギーシャワー / カロリメータ / CERN / 宇宙ステーション / 気球 / シンチファイバー / VLSI |
Research Abstract |
この研究では、気球や衛星、宇宙ステーションなどの飛翔体に搭載が可能な、宇宙線、γ線の粒子弁別が可能な、シャワー解像型カロリメータの開発を、CERN-SPSの電子、陽子ビームを用いて行うことである。平成14,15年度の研究により、装置開発は基本的に終了しているので、平成16年度は研究実施計画に基づいて、4月に衛星実験の検討のために中国を訪問し、中国科学院の高能物理研究所(北京)と紫金山天文台(南京)の研究者らと、技術的な検討や将来の研究推進計画を策定した。その後、この訪問で得られた成果をもとに、研究計画推進のため日本学術振興会の日中2国間交流事業(共同研究)に応募している。 さらに、装置の基本性能を実験室でテストしたあと、スイスに輸送してCERN-SPSにおけるビーム照射テストを実施した。このテストには、鳥居、田村、吉田が参加し、山上は国内における回路開発を実施した。ビームテストは7月28日から8月11日の間、North AreaのT2-H4ビームラインで実施され、電子、陽子、ミューオンによって装置の総合性能を調べた。その結果、装置は我々が目標としている数1000粒子のダイナミックレンジと、数100Hzの読み出し速度を実現していることが確認されている。なお、データ解析はまだ完全には終了していないが、角度分解能などについてシミュレーションと矛盾しない結果が得られている。宇宙環境での利用については、特に耐放射線対策について、ノルウェーのメーカ(IDEAS社)の技術スタッフが来日した機会に、対応策について検討を実施し、結論を得ている。以上により、本研究は予定通りの成果を挙げている。
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Research Products
(4 results)