2004 Fiscal Year Annual Research Report
日米地上観測ネットワークと衛星観測によるMLT領域の大気波動と組成変動の統合観測
Project/Area Number |
14403008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓司 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40217857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 敏隆 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (30115886)
堀之内 武 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (50314266)
野村 彰夫 信州大学, 工学部, 教授 (00115362)
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80226092)
阿保 真 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20167951)
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Keywords | 中間圏・下部熱圏 / 大気波 / 大気組成 / 大気微量成分 / 大気光 / 中間圏界面 / 光電波観測 / グローバル観測 |
Research Abstract |
大気光および大気微量成分の水平・鉛直変動の複合観測に関して、前年度に米国コロラド州Ft.Collins郊外のYucca Ridgeに持ち込んだOH全天イメージャ観測を継続し、コロラド州立大PlattvilleのOH全天イメージャおよびコロラド州立大Ft.Collinsのナトリウム温度風速ライダーとの同時観測を行った。その結果、OH大気光中に見られるリップル構造およびバンド構造の高度をイメージャ2点観測から求め、その高度変化を明らかにするとともに、ライダーデータからそれらがブラントバイサラ周波数の小さい大気不安定領域と対応していることを示した。さらに観測手法を整理してとりまとめた。現在、TIMED衛星の赤外光温度及びOH観測との比較を進行中である。 また、地上ネットワークと衛星観測による各種水平スケールの大気変動の観測に関して、日米のネットワーク観測データを解析し、さらにレイトレーシングによる短周期重力波の伝搬特性を解析することによって、万kmスケールのグローバルな大気潮汐波が10-100kmのスケールの大気重力波の伝搬に影響を与える様子を明らかにした。 さらに、経度変化、緯度変化の観測に関して日本、米国、ブラジルでのイメージャ観測データを整理し、対流圏の気象現象がMLT領域の重力波の直接的な励起源となっていることがしばしば観測されていることが示された。また、レーダー観測データと衛星観測および数値モデリング(GCM)の結果の比較から、大気潮汐波の経度変動すなわち太陽非同期潮汐波の影響が大きいことが示され、これらが大気光で観測される大気重力波の砕波の特性の地域差につながる可能性を示唆した。 以上のように本研究課題は、当初計画で目指した協同観測での成果に留まらず、種々の新たな研究領域に広がりを見せ、今後の新たな日米ブラジルそして他の国々との共同研究の下地を作ることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Portnyagin, Y.I., The 2-day wave during the boreal summer of 19942004
Author(s)
Riggin, D.M., Lieberman, R.S., Vincent, R.A., Manson, AH, Meek, CE, Nakamura, T., Tsuda, T
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Journal Title
J.Geophys.Res 109
Pages: D08110,doi:10.1029/2003JD004493