2002 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル国のゴビ砂漠における本格的な隕石探査と隕石回収計画
Project/Area Number |
14403011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
矢内 桂三 岩手大学, 工学部, 教授 (40004494)
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Keywords | ゴビ砂漠 / ホットデザート / 日本-モンゴル国際共同研究 / 隕石 / 隕石探査 / 月隕石 / 火星隕石 / モンゴル |
Research Abstract |
平成14年度にモンゴル側代表者ボルドシューク博士(モンゴル科学アカデミー科学担当秘書官 同モンゴル国科学研究総括責任者)がモンゴル国立大学副学長に転出し,更に野外調査の責任者でゴビ砂漠に詳しいビヤンバ教授(同科学アカデミー)が急逝され,「日本-モンゴル国際共同ゴビ砂漠隕石探査計画」の再構築が迫られた.幸いなことにモンゴル科学アカデミー副総裁カルバータ教授が本計画の代表者に就任し,今後ゴビ砂漠の陽石探査を本格的に進めることで合意した.実際の隕石探査は日本側代表者矢内とモンゴル側代表者ボルチルール(1994年の探査に同行),通訳,ドライバー2名,協力者1〜2名の計6〜7名で,2003年9月下旬〜10月中旬にかけ実施するこに合意した.本年度は本格的な阻石探査は行わずゴビ砂漠の予察にとどめた.一方事前調査に力を入れ,人工衛星写真,空中写真の判読,ゴビ砂漠に詳しいモンゴル人から情報の収集や探査のための設営準備を行った.一方モンゴル国に落下・発見された隕石についても調査を行った.モンゴル国には12個の"隕石"が知られているが,そのうち6個は隕石と確認出来た.しかし,残りの6個のうち2個は明らかに火山岩(溶岩の一種)であった.他の4個については現物がなく確認できなかった.これは旧ソ連時代に化石や鉱物標本と共に国外(主に旧ソ連)に持ち出され現在行方不明のためである.現存するモンゴル産隕石6個のうち今回2個を入手することが出来,これらについていても本研究の一環として国際共同研究を進める. 最後にアカデミー副総裁から,現在モンゴル国には隕石研究者が皆無なので,是非この分野でも研究者を育てたい.そのためにも,ゴビ砂漠での隕石発見が非常に重要なので,モンゴル側としても本研究を全面的にバックアップするとの確約を得た.本研究でゴビ砂漠から月隕石・火星隕石の発見を大いに期待している.
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