2002 Fiscal Year Annual Research Report
大陸衝突帯の地下深部ダイナミクス-高温高圧下での融解現象の役割-
Project/Area Number |
14403013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平島 崇男 京都大学, 理学研究科, 教授 (90181156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
森 健 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80125963)
小畑 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20126486)
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Keywords | 地下深部物質 / グラニュライ / ザクロ石かんらん岩 / 部分溶融 / ボヘミア山塊 / チェコ共和国 |
Research Abstract |
2002年9月8-23日まで、平島崇男・廣井美邦と研究協力者2名(臼杵直・苗村康介)がチェコ共和国を訪問し、海外共同研究者(M.Svojtka, P.Jakes)達と伴にボヘミア山塊において地質調査を行い、かんらん岩、酸性-中性グラニュライト、泥質片麻岩、グラニュライト中の多様な化学組成を示すノジュール類などのサンプリングとそれらの野外での産状を詳細に観察した。 サンプルが到着した10月半ば以降、各自の分担試料の研究を開始した。2003年2月28日には、学術振興会の招きで来日中のM.Svojtka・廣井美邦・臼杵直を交えて、京都大学において,今年度の研究成果発表会を開催した。実際の研究期間は試料到着後の4ヶ月足らずであったが、その間に実施した岩石試料の偏光顕微鏡観察とEPMA分析によって、従来の見解を追認すると伴に、複数の新知見を得た。新知見は、1)グラニュライトが下部地殻(30km付近)から地表に上昇した際の圧力と時期を推定できる新たな指標の発見、2)グラニュライトが部分溶融したと解釈できる組織の発見、3)グラニュライトの最高圧力を推定できる鉱物組織の発見、4)本調査において新たに発見したマントル物質(ザクロ石かんらん岩)の最高圧力時や上昇時の形成条件を推定できる組織の発見などである。上記の新知見を論文化すべく、各自が研究を継続している。 上記の岩石類が形成される過程で関与した流体やメルトの種類や組成を調べるために、流体包有物観察用の偏光顕微鏡用加熱冷却ステージを導入した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Brun, M., Compagnoni, R., Hirajima, T., Rubbo, M., (2002): "Jadeite with the Ca-Eskola molecule from an ultra-high pressure metagranodiorite, Dora-Maira Massif, Western Alps"Contributions to Mineralogy and Petrology,. 142. 515-519 (2002)
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[Publications] Tachibana, Y., Kitamura, M., Hirajima, T., Nakamura N.: "Equilibration temperature of the Kobe meteorite"Geochemical Journal. 36. 323-332 (2002)
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[Publications] 坂野昇平, 榎並正樹, 高須晃, 平島崇男: "口絵:超高圧変成岩"地質ニュース. 571号. 1-4 (2002)
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[Publications] Takeda, Y., Obata, M.: "Some comments on the rheologically critical melt percentage"J. Structural Geology. 25. 813-818 (2003)
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[Publications] 廣井美邦: "最近の走査電顕カソード・ルミネッセンス像観察事情"地質ニュース. 573号. 35-41 (2002)