2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境汚染のタイムカプセル樹木入皮を用いる越境大気汚染の検証に関する研究
Project/Area Number |
14403015
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
佐竹 研一 国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 総合研究官 (50101051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
上原 清 国立環境研究所, PM2・ 5DEP研究プロジェクト, 主任研究員 (90223495)
高松 武次郎 国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (60109915)
梅村 知也 群馬大学, 工学部, 助手 (10312901)
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Keywords | 環境汚染物質 / ヒ素 / 鉛 / 白金 / 入皮 / 越境大気汚染 / チェコ / 英国 |
Research Abstract |
環境汚染物質の拡散に伴う汚染の広がりを検証するため、ヒ素、鉛、白金等の人間活動に伴って排出される汚染物質に注目し、国内各地および国外で樹木外樹皮試料ならびに入皮試料の採取を開始した。国内における試料採取は公害汚染で有名となった足尾の汚染史を記録していると考えられる約10kmはなれた日光地区の樹齢約250年のケヤキ、東京都内の汚染を反映していると考えられる文京区内の樹齢約80年のヒマラヤスギ、汚染源から比較的離れている茨城県下妻地区の樹齢約500年のケヤキの太枝等について行った。この他、大陸からの越境大気汚染を反映している可能性のある新潟県寒川地区の森林の汚染史研究への活用を検討した。また、国際共同研究の展開のため、チェコ水文気象研究所と共同でチェコ南部ウドーリ地区(マリアテレジア渓谷)の森林の樹齢約150年の樫の倒木断面の入皮の確認と樹皮の採取、韓国漢羅大学と共同して済州島の樹木調査と樹皮採取、英国シェフィールド地区のヨーロッパブナ樹皮および土壌の採取等を行った。一方「入皮法」に活用する非破壊高時間分解能分析手法として「放射光蛍光X線分析法」の検討を行い、年変化のみならず季節変化検証への有用性を証明した。また、樹木年輪の不明瞭となる中国南部地区の樹木および年輪の形成されない熱帯地域の樹木の入皮の樹皮齢の測定に役立てるため、入皮樹皮の樹皮齢を年輪によらず直接測定するためのタンデム法(^<14>Cの測定)の検討を開始した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 石川友美, 保倉明子, 中井泉, 寺田靖子, 佐竹研一: "放射光蛍光X線分析による入皮および樹皮に記録された環境汚染史の解読"X線分析. (in press).
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[Publications] 佐竹研一: "自然観察と発見"株式会社イセブ. 15 (2002)