2003 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア都市における仮設的空間の構成と「賑わいの場」の形成に関する比較研究
Project/Area Number |
14404010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出口 敦 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (70222148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒瀬 重幸 福岡大学, 工学部, 教授 (20153413)
趙 世晨 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (80304848)
南 博文 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20192362)
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Keywords | 釜山 / 公共空間 / 屋台 / 露店 / 占用 / 賑わい / 高密度 / アジア |
Research Abstract |
今年度は、当初インドネシアにおける現地調査を予定していたが、社会情勢等の事情により現地調査実施対象地を、同様に屋台・露店の多数立地する韓国・釜山市の国際市場地区に変更し、2003年11月に現地調査を行った。その概要は下記の通りである。 (1)路上の仮設等の分布と周辺土地利用・建物利用に関する調査 調査対象地区内における露店や屋台等が集積する賑わいの場の位置を地図上に整理し、周辺土地利用や建物利用の実態調査を行い、露店等が集積する地区特性を明らかとした。 (2)公共空間の利用・占用に関する制度に関する調査 当該役所および関係機関へのヒアリング調査と資料の収集と整理を通じて、路上の占用問題に関係する法制度や規制等と公共空間を占用した営業や管理の実態と課題の整理を行った。 (3)空間的変化のサイクルと可変性に関する調査 屋台・露店で構成される空間の時間による変化に関する調査をビデオ観察等により実施した。方法としては、調査対象地区を数日間に渡り観察調査し、仮設的な露店等の構成要素の時間帯ごとの入れ替わりや変化といった賑わう場の空間的変化に関する記録を行い、同時に来訪者の観察と合わせて、仮設物の可変性が恒常的な賑わいを創り出していることを検証していった。 (4)仮設的空間における交通に関する調査 屋台・露店で構成される空間における歩行者の回遊性や交通とその時間帯による変化に関して調査を行い、回遊行動と空間構成の関係を明らかにするために、歩行者の交通量調査を行った。 これらの調査結果に基づく考察をもとに、路上の賑わい空間の時間的な変化と空間構成パタンを抽出し、同時に人間の滞留行動とその構成パタンとの関係を整理した。ここで整理されたデータは、仮設性と可変性を備えた路上の賑わい空間のデザインに関する基礎資料となることを目指し今後も分析・考察を進めていくことする。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 北村博昭, 松尾桂一郎, 出口敦, 趙世晨, 黒瀬重幸: "中国・天津市におけるトランジットモールへのアクセシビリティを支えるシステムに関する研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. F・都市計画. 919-920 (2003)
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[Publications] 黒瀬重幸, 出口敦, 趙世晨, 豊田佳奈: "中国・天津のトランジットモールにおける歩行者の回遊行動に関する研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. F・都市計画. 295-296 (2003)
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[Publications] 坂本夏絵, 木庭隆博, 趙世晨, 出口敦: "「歩行街」を支える街路環境に関する研究 (その1) 天津旧租界の中心市街地を事例として"日本建築学会大会学術講演梗概集. F・都市計画. 193-194 (2003)
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[Publications] 木庭隆博, 坂本夏絵, 趙世晨, 出口敦: "「歩行街」を支える街路環境に関する研究 (その2) 天津旧租界の中心市街地を事例として"日本建築学会大会学術講演梗概集. F・都市計画. 195-196 (2003)
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[Publications] Atsushi Deguchi, Keiichiro Matsuo, Kensaku Takagi: "Asian Street Vendors and Urban Liveliness on Public Streets"Proceedings of 5th International Symposium on Architectural Interchanges in Asia. (予定). (2004)