2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14405002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 登志彦 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (80183094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅田 明洋 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50293551)
小野 清美 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (50344502)
曽根 敏雄 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222077)
本間 航介 新潟大学, 農学部, 助教授 (50323960)
山縣 耕太郎 上越教育大学, 地理学, 助手 (80239855)
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Keywords | カムチャツカ / 森林火災 / 森林更新 / シラカバ / カラマツ / 実生 / 萌芽 / 遷移 |
Research Abstract |
本年度はロシア連邦カムチャツカ半島中央低地帯で、先駆種であるシラカンバ(Betula platyphylla)とカラマツ(Larix cajanderi)を対象とし、遷移段階(遷移初期、中期、後期)が異なる3つの森林に3〜5年前に設定した調査地において再調査を行い、実生の発芽や定着の特徴を明らかにした。また、シラカンバの実生と萌芽という二つの異なる更新戦略を比較し、その意義を明らかにした。 シラカンバとカラマツの実生ともに発芽はコケ類マットや倒木上などのマイクロサイトに限定されるが、発芽後、マイクロサイト上で必ずしも成長できるとは限らない。カラマツの実生は異なる遷移段階においても実生密度に増減はなかった。カラマツはシラカンバよりも実生密度が低かったが、異なる遷移段階においても安定した実生数を維持し、また遷移段階が進むにつれて成木の優占度が高くなることからも、カムチャツカの森林においては遷移初期から後期まで安定的に個体群を維持する能力があると考えられる。 シラカンバは遷移段階が進むにつれて、実生密度が低くなる傾向にあった。しかし、シラカンバはカラマツよりも多数の種子を生産し散布している。林内ではシラカンバ実生の枯死率が高く、多数の種子の生産は必ずしも定着に有利であるとはいえないが、大規模に土壌や林冠が撹乱された場合には、撹乱後の侵入に有利であると考えられる。また、被陰によるストレスや母樹の枯死などにより、種子を散布できなくなったような時には、実生と比べて成長に有利な萌芽を形成することで個体群を維持している。シラカンバの実生と萌芽という二つの戦略を同時にとることは少ない降水量、厳しい寒さ、森林火災による大規模な撹乱など、厳しい環境のカムチャツカ半島においては特に遷移初期において有利な生存戦略だと考えられる。
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Research Products
(1 results)