2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14405019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
茂原 信生 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (20049208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一美 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20303919)
国松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90252535)
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Keywords | 東南アジア / 第三紀 / 霊長類化石 / ミャンマー / タイ |
Research Abstract |
ミャンマー中央部ポンダウン地域に分布する中期始新世末の地層において、霊長類化石の発見を主目的とした古生物学的発掘調査および地質学的調査をおこなった。本年度はバヒン村のPk-5地点においてポンダウンギアと見られる右上顎骨破片の化石を発見した。この標本にはあまり咬耗が進んでいない第1・2大臼歯が残存しており、ポンダウンギアの上顎臼歯の形態に関する貴重な情報が得られると考えられる。また化石が発見されたPk-5培点において、火山灰を豊富に含むと思われる層準を新たに発見した。帰国後、この層準の堆積物から抽出されたジルコン鉱物をフィッショントラック法を用いて絶対年代を計測し、約3880万年前という年代を得ることができた。これは同地域から既に得られていた約3740万年前という年代とほとんど矛盾しておらず、これまでの研究成果がほぼ正しいことを示している。 研究成果の発表としては、これまで我々のポンダウン地域の調査において発見していた霊長類化石の記載論文や形態解析や体重推定に関する論文を発表し、またその他の陸上性哺乳類化石に関する記載論文、ポンダウン化石動物相の解析論文、ポンダウン層の地質年代に関する論文などを発表した。また2003年1月に犬山市でおこなわれたアジアの第三紀霊長類の進化に関する国際シンポジウムで、以上の成果を発表し世界各国の研究者と議論を行った。 一方、タイ北部のチェン・ムアン地域では後期中新世の地層においてホミノイド化石の発見を主目的とした発掘調査を継続中である。既に見つかっている二つのホミイド化石標本の記載論文を作成し、国際的な専門誌に投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takai, M.: "Endocranial cast and morphology of the olfactory bulb of Amphipithecus mogaungensis (latest middle Eocene of Myanmar)"Primates. (印刷中). (2003)
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[Publications] 鍔本武久: "古第三紀の世界とポンダウン化石哺乳類相"霊長類研究. (印刷中). (2003)
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[Publications] Tsubamoto, T.: "The Anthracotheriidae (Mammalia ; Artiodactyla) from the Eocene Pondaung Formation (Myanmar) and comments on some other anthracotheres from the Eocene of Asia"Paleontol. Res. 6(4). 363-384 (2002)
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[Publications] Shigehara, N.: "New dental and facial remains of the late middle Eocene primate Pondaungia cotteri from central Myanmar"J. Hum. Evol.. 43. 143-166 (2002)
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[Publications] Tsubamoto, T.: "Fission-track zircon age of the Eocene Pondaung Formation, Myanmar"J. Hum. Evol.. 42. 361-369 (2002)
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[Publications] 江木直子: "ポンダウン霊長類の体重推定"霊長類研究. 18. 1-18 (2002)