2004 Fiscal Year Annual Research Report
画像及び3次元行動データロガーを用いた海洋高次捕食者による中・深層生物の研究
Project/Area Number |
14405027
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
渡邉 研太郎 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (30132715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 明子 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (80261121)
YAN Ropert-Coudert 国立極地研究所, 研究教育系, プロジェクト研究員 (90390591)
宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
佐藤 克文 東京大学, 海洋研究所・国際沿岸海洋研究センター, 助教授 (50300695)
綿貫 豊 北海道大学, 大学院・水産学研究科, 助教授 (40192819)
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Keywords | 高機能画像ロガー / 切り離し回収システム / 棚氷下面生物層 / 水中3次元行動軌跡 / 地磁気加速度ロガー / 中深層生物群集 / 放位探知システム / バイオロガー |
Research Abstract |
本年度は最終年度に当たるため、1)過去2年の研究成果の発表、2)成果を基に今後の展開をはかるため高機能カメラロガー、ロガー切り離し回収システムなどの機器開発を中心に研究を行った。 1)研究成果の発表は、ウェッデルアザラシによる中深層生物群集の研究として行ったドイツ・アルフレッド・ウェゲナー研究所との共同研究から得た、南極の新たな生物相の発見について行った。発表は南極研究科学委員会(SCAR)主催のシンポジウムにおいて行った。南極大陸周辺の広大な棚氷の下面に底生生物(端脚類、等脚類などが)が大量に付着していることを、本研究で開発したカメラロガーをアザラシに装着して発見したことを発表し、大きな反響を得た。棚氷域は現在地球温暖化と関係して、多方面の研究が進められようとしているが、調査研究のプラットホームが整備されていないため、研究は進まず、地球上の最も未知地域となっている。英国はAUV(自立型無人潜水艇)を用いて大型プロジェクトによる調査を開始したが、氷下面の観測には失敗している。現在のところ棚氷下面生物相についての情報は本研究が初めて報告するものであり、今後本研究の成果を基に本格的な観測の実施が望まれる。 また、アメリカ大型海洋生物プロジェクトであるセンサス・オブ・マリンライフの中核をなす計画「TOPP(トップ計画)」のワークショップに招聘されて本研究計画と得られた成果全般についての発表を行い、高い評価を得た。 2)本年度はさらに高機能カメラロガーの開発を行い、コニカ・ミノルタ(株)の協力を得て同社が開発した新たなモジュールを用いて高分解能カメラの開発を行った。カメラモジュールは1.3M画素でJPEG圧縮機能を有しているため、高画質の映像10000枚の撮影が可能となる。このほか、ロガーシステムを自動的に動物体から切り離し、回収するための切り離しシステムと方位探知システムの開発も行った。
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Research Products
(6 results)