2002 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク核実験場周辺地区における上部消化器がんの分子病理学的調査
Project/Area Number |
14406002
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
関根 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60039922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
柴田 義貞 長崎大学, 医学部, 教授 (40010954)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
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Keywords | セミパラチンスク / 放射線誘発癌 / 胃がん / p53 / 遺伝子バンク |
Research Abstract |
セミパラチンスク核実験場はカザフスタン共和国北東部に位置し、旧ソ連邦時代1949年から50年近くにわたって、地上、地下核実験が行われたところである。核実験場周辺地区住民についての健康影響調査は、旧ソ連邦時代の秘密主義の影響もあり、まだまだこれからであるのが現状である。今回我々は、放射線誘発癌の中の消化器がん、特に胃がんに焦点をあてて、病理・分子診断及び疫学の立場からその解明を行うべく、初年度の活動を行った。 まず、本年度は、当初の計画通りにサンプルの収集と保存を目的として、研究代表者が平成14年8月に現地を訪問し、現地のカウンターパートであるセミパラチンスク医科大学病理学のProuglo教授と共同で、核実験場周辺地区における胃がんの病理標本の収集、及び病理学的な再評価を行った。 その結果、病理学的に胃がん確定診断が得られた症例については、ブロック標本を長崎に持ち帰り、現在遺伝子(DNA及びRNA)の抽出を開始している。 本年度は、抽出した遺伝子を用いた解析を実質的に開始する。当面の標的遺伝子としてはp53やp21とし、in situ hybridyzadonで病理学的な検討を行った後に、遺伝子配列異常の有無の検索を行う予定である。また、染色体レベルでの異常を検出する目的で、LOH studyを行う。具体的にはp53が位置する17p13.1の遺伝子地図を元に、polymophic markerを作成し、胃がんの組織からマイクロダイジェクションで抽出した染色体DNAを用いてPCRを行い、LOHの有無を確認する予定である。 さらに、最終的な遺伝子バンクの構築に向けて、現地の放射線医学研究所とも協力して、現地での遺伝子抽出・保存、データベース化を行っていく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Wen CY, Nakashima M, Nakayama T, Sekine I et al.: "Overexpression of Heat Shock Protein 70 in the Stomach of Stress-Induced Gastric Ulcer-Resistant Spontaneously Hypertensive Rats"Clin Exp Hypertension. 24・6. 448-449 (2002)
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[Publications] Shichijo K, Ihara M, Sekine I et al.: "Overexpression of Heat Shock Protein 70 in the Stomach of Stress-Induced Gastric Ulcer-Resistant Spontaneously Hypertensive Rats"Clin Exp Hypertension. 24・6. 448-449 (2002)
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[Publications] Ito M, Nakashima M, Nakayama, Ohtsuru A, Sekine I et al.: "Preventive effects of parathyroid hormone-related peptide on gastric hypercontraction in the rat"Gastroenterol Hepatol. 17・12. 1260-1266 (2002)
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[Publications] Tsuda S, Ohtsuru A, Yamashita S et al.: "Role of c-Fyn in FGF-2-mediated tube-like structure formation by murine brain capillary endothelial cells"Biochem Biophys Res Commun. 290・4. 1354-1360 (2002)
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[Publications] Akiyama-Uchida Y, Ashizawa N, Yamashita S et al.: "Norepinephirine enhances fibrosis mediated by TGF-beta in cardiac fibroblasts"Hypertension. 40・2. 148-154 (2002)
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[Publications] Ito M, Nakashima M, Sekine I et al.: "Expression of receptor-type tyrosine kinase, axl its ligand, gas6, in pediatric thyroid carcinomas around chernobyl"Thyroid. 12・11. 971-975 (2002)