2003 Fiscal Year Annual Research Report
インド亜大陸におけるコレラ関連細菌の生態学的および分子疫学的研究
Project/Area Number |
14406006
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
篠田 純男 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50029782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 伸一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60182060)
友近 健一 岡山学院大学, 人間生物学部, 教授 (00093691)
岡本 敬の介 岡山大学, 薬学部, 教授 (70131183)
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Keywords | コレラ / ビブリオ / 下痢症 / インド亜大陸 / 生態学 / 分子疫学 |
Research Abstract |
コレラ菌および類縁のビブリオはインド亜大陸、特にガンジス河流域の水環境に定着して流行期には高率に検出されるが,非流行期には検出されず,自然界での消長に関してなお不明の点が多い。また,ビブリオ関連細菌であるエロモナスの下痢症も類発している。従って,下痢症制圧にはビブリオ関連下痢原因細菌の性状,特に環境中での生態,病原遺伝子の伝達などを分子生物学的に明らかにしておく必要がある。本研究ではガンジス河口デルタ地帯で,患者あるいは環境由来のコレラ関連ビブリオの生態および分子疫学的検討を行って,インド亜大陸を中心にした地域での流行予測さらには下痢症制圧に寄与することを目的としており、前年度に続いて、ダッカ、カルカッタにおいて環境水からVibrio choleraeを分離し、また、患者分離株を得て、PCRによる病原因子の検出、Not 1を使用したPFGE(pulsed-field gel electrophoresis)によるGenetic Fingerprintの比較、薬剤耐性試験等を行った。その結果、環境分離V.cholerae 01,0139と臨床分離V.cholerae 01,0139が同一クローンまたは非常に近い関係にある株であることが示された。すなわち、ベンガル地域の環境水中に住み着いているV.cholerae 01,0139は、あるクローンが大部分を占めており、それがヒトにコレラを引き起こすと考えられる。そして、それは、年月と共に徐々に遺伝子の変化を受けているが、何らかの環境因子が働き、淘汰を受けているのではないかと考える。従って、引き続きベンガル地域における分子疫学的解析を継続することが重要であり、さらなる研究成果につながると考える。V.cholerae non-01/non-0139についてもCTX・による新たなCT産生株が出現する可能性も踏まえ、その病原性についてさらに解析を進める必要性がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Watanabe, H., Miyoshi, S., Kawase, T., Tomochika, K., Shinoda, S.: "High growing ability of Vibrio vulnificus biotype 1 is essential for production of a toxic metalloprotease causing systemic diseases in humans."Microbiol.Pathog.. 36. 117-123 (2004)
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[Publications] Ahmed, A.M., Nakagawa, T., Arakawa, E., Ramamurthy, T., Shinoda, S., Shimamoto, S.: "New Aminoglycoside Acetyltransferase Gene, aac(3)-Id, and aadA7 in Class I Integron from a Multiresistant Strain of Vibrio fluvialis Isolated from a Six-Month Infant with a Cholera-like Diarrhea in India"Journal of Antimicrobial Chemotherapy. (In press). (2004)