2004 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおけるウイルス性脳脊髄炎のウイルス心理学的解析
Project/Area Number |
14406010
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Research Institution | NAGASAKI UNIYERSITY |
Principal Investigator |
岩崎 琢也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90146027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 智 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (90213157)
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Keywords | 脳炎ウイルス / ラブドウイルス / Oitavirus / エンテロウイルス71 / 免疫組織化学 / 感染モデル |
Research Abstract |
東南アジアの地域内で風土病的に流行し、本邦に上陸する可能性がある神経好性ウイルス(狂犬病ウイルス等のラブドウイルス・エンテロウイルス71等のエンテロウイルス・ニパウイルス等のパラミキソウイルス、日本脳炎ウイルス等のフラビウイルスの臨床検体を対象とした病理学的診断法の開発と病原体の性状の解明、さらにはこれらの地域で発生した原因不明の脳炎疾患を対象として研究を行ってきた。 本年度は最終年度の3年目であり、ラブドウイルスに関しては昆虫を摂食するコウモリの末梢血より分離されたOitavirusのウイルスゲノムのnucleoprotein遺伝子の全塩基配列を解析し、リッサウイルスとベシクロウイルスの中間に位置する新しい属に存在することを示唆した。このウイルスは乳のみマウスは感受性を有するが、成熟マウスは感受性を有さず、また神経細胞以外の神経系細胞に感染しうることより、リッサウイルスの持つ神経好性とは異なる一方、細胞内でのウイルス粒子の成熟様式はベシクロウイルスよりもリッサウイルスに近似するという、フェノタイプ上も中間に位置するウイルスであった。今後、ヒトのこのウイルス感染に対する感受性に興味がもたれる。 エンテロウイルス71に関してはサルを用いた感染実験系を確立した。これまではポリオウイルス同様に直接ウイルスを中枢神経組織内に接種する方法が用いられてきたが、経静脈的に接種するとより小児の重症神経感染症に類似し、神経病理学的にも裏付けられた。また、ポリオウイルスの神経病原性とは明らかに異なることも明らかにした。 また、東南アジアにおいて原因不明の小児の脳炎患者から採取された剖検組織について、これまで作製してきた種々の抗体を用いて解析をしてきたが、この原因については解明できていない。
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Research Products
(5 results)