2002 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ周辺住民における甲状腺がん・乳がんの疫学調査
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14406017
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 義貞 長崎大学, 医学部, 教授 (40010954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 純久 長崎大学, 医学部, 助手 (90244053)
前田 茂人 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (40315247)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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Keywords | チェルノブイリ / 甲状腺がん / 乳がん / 低線量率放射線被曝 / 遺伝子異常 / 国際甲状腺組織登録バンク / 国際研究者交流 / ロシア:ベラルーシ:ウクライナ |
Research Abstract |
低線量率放射線への長期被曝が人体に及ぼす影響の実態を明らかにすることを目的として、チェルノブイリ周辺地域居住女性における甲状腺がんおよび乳がんの有病率・発生率調査を現地の研究機関との共同研究として開始した。 ロシア医学アカデミー医学放射線研究所(オブニンスク市、ロシア連邦)とは、ブリヤンスクおよびオリョールの2州に居住し事故当時10〜40歳であった女性を対象とする乳がん発生率に関する共同研究の研究計画書(案)を作成し、現地の研究者と検討した。ベラルーシ医療技術センター(ミンスク市、ベラルーシ共和国)とは、当センターが管理するベラルーシ共和国全体のがん登録の情報を利用した乳がん発生率に関する共同研究を実施することとし、予備解析を行った。ゴメリ州における1987年から1999年までの乳がんの地区別粗発生率は、放射能高汚染地区において上昇傾向を示していたが、自然増を含め種々の要因の関与を検討する必要がある。ウクライナ医学アカデミー放射線医学研究所とは、プリピャチ市ほか、チェルノブイリ原発周辺30km圏内の地域からキエフ市に避難してきた、事故当時15〜30歳の女性約3,000人を対象に、甲状腺がん・乳がんの危険因子に関する面接調査を実施することとし、問診表を作成して調査を開始した。 甲状腺がんについては、特定被曝集団の長期追跡調査を実施すると共に、国際甲状腺組織登録バンクの管理運営に継続参加し、収集した標本を基に各種免疫組織学的解析および甲状腺がん関連遺伝子の解析を行い、たとえば、次のような成果を得た。(1)RT-PCRの問題点を指摘し、新しいret/PTC遺伝子異常の再配列を発見した。(2)ロシア連邦の甲状腺がん症例の入手済み手術標本を用いて、ミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の部分欠失や巨大欠損の詳細なプロファイル解析を行い、放射線被曝線量との相関関係を示唆するデータを得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshisada Shibata: "Thyroid cancer 15 years after Chernobyl"The Lancet. 359. 1947 (2002)
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[Publications] Vladimir A. Saenko: "Novel tumorigenic mutation, delta rfp/ret, in papillary thyroid carcinoma from externally irradiated patient"Mutation Research. (in press).
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[Publications] Tatiana I.Rogounovitch: "Large deletions in mitochondrial DNA in radiation-induced human thyroid tumors"Cancer Research. (in press).
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[Publications] Shunichi Yamashita: "Chernobyl : Message for the 21st Century"Elsevier. 354+xxv (2002)