2002 Fiscal Year Annual Research Report
デングウィルス感染症における血小板減少の機序の解明
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14406019
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大石 和徳 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (80160414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
長谷部 太 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (20253693)
熊取 厚志 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60244092)
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Keywords | デングウイルス / 二次感染 / 血小板減少 / PAIgG / PAIgM / VEGF / トロンボポチン |
Research Abstract |
フィリピン、メトロマニラ、サンラザロ病院において142名のデングウイルス感染症を疑う患者のうち、IgM capture ELISAでデングウイルス感染症患者101名を登録した。さらに、このうち83名は血中HI価の結果からsecondary infectionと判定した。さらに、これらの二次感染患者のうち発症から7日目までの急性期に登録された53名(平均年齢16.1歳)を対象として、末梢血血小板数とPlatelete-associated IgG(PAIgG)との相関を検討した。健常コントロール43名において両者は相関が認められないのに対して、デング感染症患者では有意な逆相関が認められた。また、12名のデング患者において血小板数が急性期に低値で回復期に増加するのに対し、PAIgGレベルは急性期に高値で回復期に低下した。さらに、8名のデング患者の血小板抽出液中には、6名の健常者のそれより有意に高い抗デングウイルスIgG抗体が検出された。これらの成績から、抗デングIgG抗体を含むPAIgG形成は、本症の急性期における一過性の血小板減少機序に重要な役割を担うことが示された。また、我々はデング患者におけるPAIgMの測定、血漿中のVEGF、トロンポポエチン(TPO)について検討した。PAIgMはPAIgG同様に血小板数と逆相関することが判明したので、今後はprimaly infectionにおけるPAIgMの役割を検討する。また、血漿TPO濃度はデング患者の急性期に増加しており、本症の急性期における骨髄の巨核球増加を介した血小板数増加促進が示唆された。また、TPOは血小板からのVEGF放出促進効果があるため、急性期におけるVEGF濃度/血小板数の増加が認められた。今後はVEGFの機能と本症における血管透過性亢進との関連性について検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsuchihashi Y, Oishi K, et al.: "Fourteen-member macrolide suppress interleukin-8 production but not promote apoptosis of activated neutrophils. Antimicrob"Agents. Chemother.. 46. 1101-1104 (2002)
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[Publications] Mitsushima H, Oishi K, et al.: "Acid aspiration induces bacterial pneumonia by enhanced bacterial adherence in mice"Microb Pathog. 33. 203-210 (2002)
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[Publications] Nagatake T, Oishi K, et al.: "Prevention of respiratory infections by povidone-iodine gargle"Dermatology. 204(supp). 32-36 (2002)
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[Publications] Masaki H, Oishi K, et al.: "A clinical, serological and immunological study in a Japanese traveler with dengue fever"J Infect Chemother. 8. 356-367 (2002)
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[Publications] Yamaryo T, Oishi K, et al.: "Fourteen-member macrolides promote the phospatidylserine receptor-dependent phagocytosis of apoptotic neutrophils by alveolar macrophages"Antimicrob. Agents. Chemother.. 47(1). 48-53 (2003)
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[Publications] Motomura K, Oishi K, et al.: "Different subtype distribution in two cities in Myanmar : evidence for independent cluster of HIV-transmission"AIDS.. 17. 633-636 (2003)